「4つの資質群」ってなに?
自分は、〇〇資質群に偏っていたけど大丈夫?
ストレングスファインダーの診断結果レポートを見て、このような疑問や不安を感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。
この記事では、そんなストレングスファインダー(クリフトンストレングス®)の「4つの資質群」について、一緒に見ていきましょう。
ご自身の資質がどのグループに多いかを知ることで、自分の考え方や行動のパターンが見えてきます。
そしてそれは、あなたの才能を具体的な「強み」へと育てていく、大切なヒントになるはずです。
💡この記事でわかること
✅ 「4つの資質群」とは何か
✅ 各資質群が持つエネルギーの傾向
✅ 「資質の偏り」の考え方
ストレングスファインダーの基本:「資質」と「資質群」
まず、診断結果を理解する上で大切な「資質」と「資質群」の関係について、簡単におさらいしましょう。
私たちの「才能の原石」=34の資質
ストレングスファインダーは、あなたが持つ「才能」を示してくれます。
才能とは、自然と繰り返してしまう思考、感情、行動のパターンのこと。
その才能が、34種類の「資質」として分類されています。
診断レポートで上位に表示された資質(特にTOP5)がありますよね。
これらは、私たちが無意識のうちによく使っているものです。
いわば、「才能の原石」といえるでしょう。
「磨けば光る、特別な力」とも表現できますね。
資質を束ねる4つのカテゴリー=「資質群」
そして、ここが今回の本題です。
34の資質は、その「性質」や「力の働き方」が近いもの同士でグループ分けされています。
それが、以下の4つのグループ(資質群)です。
・実行力 (Executing)
・影響力 (Influencing)
・人間関係構築力 (Relationship Building)
・戦略的思考力 (Strategic Thinking)
レポートに「資質群」が表示されているのには理由があります。
私たちの才能が「全体として、どんな方向性の力を持っているのか」。
それを、分かりやすく示してくれるためなんですね。
それでは、それぞれの資質群がどのようなものか、具体的に見ていきましょう。
実行力(Executing) – 物事を成し遂げる力
まずご紹介するのは、「実行力」の資質群です。
このグループの資質を多く持つ人は、アイデアや計画を「実行に移し」「成果を出す」ことに強い意欲を感じます。
「自分の手で物事を成し遂げ、目に見える結果を得たい」
この思いが、行動の原動力となる傾向があります。
「実行力」資質群のエネルギー源
具体的には、次のような思いや価値観が、行動のエネルギー源となりやすいでしょう。
■ 目標に向かって、着実に行動し続けたい
■ 「やる」と決めたら、きちんと最後までやり遂げたい
■ 計画通りに進めて、確実に結果を出したい
■ 安定した環境で、決まった手順を守りながら物事を進めたい
「実行力」資質群の行動・思考の例
実行力の資質群が持つ「やり遂げる」ことへの動機は、どのように現れるのでしょうか。
ここでは、「回復志向」「達成欲」「責任感」を併せ持つ人のケースで見てみましょう。
例)何か問題が発生したとき
① 「回復志向」が「これは放っておけない」と、問題解決への意欲を刺激する
② 「責任感」が「これを元通りにするのは自分の役割だ」と感じさせる
③ 「達成欲」が「早く問題を片付けて、完了させたい」と、行動を加速させる
イメージにすると、こんな感じです。
この組み合わせは、「問題を見つけては、責任感をもって、迅速かつ確実に解決(完了)していく」。
そのような行動パターンです。
これらの資質を上位に持たない人が「大変そう」「面倒だ」と感じることでも、「自分の出番」と考えて、意欲的に取り組んでいくでしょう。
職場では、とても頼りにされそうですね。
「実行力」に含まれる資質一覧
実行力の資質群に分類されるのは、次の9つの資質です。
資質名 | 主な特徴 |
---|---|
達成欲 | 多くのことを成し遂げたいという意欲を持つ才能 |
アレンジ | 複数の要素を最適に組み合わせ、生産性を高める才能 |
信念 | 揺るぎない核となる価値観を持つ才能 |
公平性 | 全ての人を平等に扱おうとする才能 |
慎重さ | 決断や選択の前にリスクを吟味する才能 |
目標志向 | 目標を設定し、それに向かって進む才能 |
責任感 | やると言ったことを最後までやり遂げる才能 |
回復志向 | 問題を解決し、物事を元通りにすることが得意な才能 |
規律性 | 秩序や計画性を重んじ、構造化を好む才能 |
影響力(Influencing) – 人を動かす力
次にご紹介するのは「影響力」の資質群です。
このグループの資質を多く持つ人は、周りに働きかけ、動かすことに意欲を感じます。
「自分の考えを伝えたり、人々を動かしたりして、状況を変えたい」
この思いが、行動の原動力となる傾向があります。
「影響力」資質群のエネルギー源
具体的には、次のような思いや価値観が、行動のエネルギー源となりやすいでしょう。
■ 人の心を動かし、前向きな変化を生み出したい
■ 周囲を巻き込み、目標達成に導きたい
■ 自分の言動で人や組織にインパクトを与えたい
■ 挑戦を促し、みんなで高みを目指したい
「影響力」資質群の行動・思考の例
影響力の資質群が持つ「働きかけ、動かす」ことへの動機は、どのように現れるのでしょうか。
ここでは、「コミュニケーション」「最上志向」「活発性」を併せ持つ人のケースで見てみましょう。
例)新しい企画を立ち上げるとき
① 「最上志向」が「やるからには、質の高いものに」と目標を設定する
② 「コミュニケーション」が、関係者にその企画の意義や魅力を伝える
③ 「活発性」が「まずスタートだ!」と、失敗を恐れずに素早く開始させる
イメージにすると、こんな感じです。
この組み合わせは、素晴らしいアイデアを思いつくと、周りを巻き込みながら素早く行動に移します。
そして、最高の結果を出すことにこだわり続けるでしょう。
他の人が「もう少し検討したい」と考える場面でも、「まずやってみよう!」とエネルギッシュに周りを引っ張ろうとするはず。
チームに活気をもたらす存在といえますね。
「影響力」に含まれる資質一覧
影響力の資質群に分類されるのは、次の8つの資質です。
資質名 | 主な特徴 |
---|---|
活発性 | アイデアを行動に移したくてたまらない才能 |
指令性 | 主導権を握り、状況をコントロールする才能 |
コミュニケーション | 自分の考えを言葉で表現し、人に伝える才能 |
競争性 | 他者との比較の中で一番になりたいと願う才能 |
最上志向 | 強みを見出し、それを最高レベルに高める才能 |
自己確信 | 自分の能力や判断力に自信を持つ才能 |
自我 | 他者から重要な存在だと認められたいと願う才能 |
社交性 | 初対面の人に働きかけ、打ち解けるのが得意な才能 |
戦略的思考力(Strategic Thinking) – 考え抜き、本質を見抜く力
3つ目は「人間関係構築力」の資質群です。
このグループの資質を持つ人は、人と協力し、関係を深めることに意欲を感じます。
「皆と繋がり、支え合い、共にありたい」
この思いが、行動の原動力となる傾向があります。
「人間関係構築力」資質群のエネルギー源
具体的には、次のような思いや価値観が、行動のエネルギー源となりやすいでしょう。
■ 一人ひとりの違いや強みを認めて大切にしたい
■ みんなが安心して参加できるチームをつくりたい
■ お互いに信頼し合える深い関係を築きたい
■ 相手に寄り添い、間近で成長をサポートしたい
「人間関係構築力」資質群の行動・思考の例
人間関係構築力の資質群が持つ「人と繋がり、支え合う」ことへの動機は、どのように現れるのでしょうか。
ここでは、例えば「共感性」「成長促進」「ポジティブ」を併せ持つ人のケースで見てみましょう。
例)落ち込んでいる様子の同僚がいるとき
① 「共感性」が相手の表情から気持ちを読み取り、と優しく声をかける
② 「成長促進」が「この経験を次にどう活かせるか一緒に考えよう」と提案する
③ 「ポジティブ」が「大丈夫だよ」と明るい言葉で励まし、元気づけようとする
イメージにすると、こんな感じです。
この組み合わせからは、人の感情に寄り添い、可能性を信じて励まし続ける温かさが伝わってきますね。
そして、相手が困難な状況でも、持ち前の明るさで前向きな気持ちを引き出していくはず。
チームの太陽のような存在といえるでしょう。
「人間関係構築力」に含まれる資質一覧
人間関係構築力の資質群に分類されるのは、次の9つの資質です。
資質名 | 主な特徴 |
---|---|
適応性 | 状況の変化に合わせて柔軟に対応する才能 |
運命思考 | 人や物事のつながりを感じ取る才能 |
成長促進 | 他者の持つ可能性を見出し、成長を支援する才能 |
共感性 | 相手の感情を自分のことのように感じ取る才能 |
調和性 | 意見の対立を避け、合意点を見出そうとする才能 |
包含 | 人々を輪の中に入れ、仲間外れを作らない才能 |
個別化 | 一人ひとりのユニークさに関心を持つ才能 |
ポジティブ | 熱意があり、他者を元気づけることができる才能 |
親密性 | 他者との間に、深い信頼関係を築く才能 |
戦略的思考力(Strategic Thinking) – 考え抜き、本質を見抜く力
最後は「戦略的思考力」の資質群です。
この資質群に属する人は、「考えること」に自然とエネルギーが向かいます。
情報を集めて整理したり、複雑な問題を深く掘り下げたり——
頭の中で思考をめぐらせ、納得のいく答えを導き出すことに価値を感じる傾向があります。
「戦略的思考力」資質群のエネルギー源
具体的には、次のような思いや価値観が、思考や行動のエネルギー源となりやすいでしょう。
■ 複雑な課題に対して、最適な解決策を考え抜きたい
■ 未来を見据えて、今できる準備や計画を立てたい
■ 新しいアイデアを生み出し、視野を広げることに挑戦したい
■ 知識を深めることで、自分自身を成長させたい
「戦略的思考力」資質群の行動・思考の例
戦略的思考力の資質群が持つ「考え抜き、本質を見抜く」ことへの動機は、どのように現れるのでしょうか。
ここでは、例えば「分析思考」「未来志向」「戦略性」を併せ持つ人のケースで見てみましょう。
例)新しいプロジェクトの計画を立てるとき
① 「未来志向」が「成功したら、どんな未来が待っているか」を想像する
② 「分析思考」が目標達成に必要な情報を集め、客観的に検討する
③ 「戦略性」が集めた情報や未来像をもとに、成功への最適な道筋を考える
イメージにすると、こんな感じです。
この組み合わせからは、未来を見据え、データを分析し、最適な戦略を描く「知的」「静的」なイメージが伝わってきます。
他の人がすぐに行動しようとする時も、「待って、もう少し検討しよう」と冷静に判断をするでしょう。
チームの頭脳として、周囲から必要とされそうですね。
「戦略的思考力」に含まれる資質一覧
戦略的思考力の資質群に分類されるのは、次の8つの資質です。
資質名 | 主な特徴 |
---|---|
分析思考 | データや根拠に基づいて客観的に考える才能 |
原点思考 | 過去の出来事や背景を振り返り、現在を理解する才能 |
未来志向 | 未来を思い描き、そこからインスピレーションを得る才能 |
着想 | 新しいアイデアや概念を結びつけ、発見する才能 |
収集心 | 情報やモノを集め、蓄えることに興味を持つ才能 |
内省 | 深く考えることを楽しみ、知的な活動を好む才能 |
学習欲 | 学ぶプロセスそのものを楽しみ、常に向上を求める才能 |
戦略性 | 目標達成のための最適な道筋を見出す才能 |
「資質群が偏っている」と感じる人へ:その”個性”を強みに変えよう
自分のTOP5を見て、「上位に特定の資質群が集中しているな」と感じた人もいるかもしれません。
それと同時に、「バランスが悪いのかも」と不安に思ったかもしれませんね。
結論、全く心配はありません。
その資質の「集中」は、素晴らしい個性であり、大きな可能性を秘めています。
「集中」は武器!自分らしい貢献のポイント
💡「資質の偏り」はこう考えよう
資質に偏りがあることは、「アンバランス」なのではありません。
それは、「私たちの強みの輪郭がはっきりしている」ということ。
つまり、「自分らしく成果を出す」ポイントが分かったということです。
そして、「自分らしくチームに貢献する」ための道筋が見えたとも考えられます。
特定の資質群が上位に集中している人は、その領域で圧倒的な成果を出せる傾向がありますからね。
それは他の人にはない、「専門性」であり、強力な「武器」です。
あなたが上位に持っていない「資質(武器)」は、 チームの誰かが持っているかもしれません。
そして、それは周りの人にとっても同じことが言えます。
全員が同じ武器を持つ必要はないのです。
・それぞれが自分の得意な「武器」を使い、チームに貢献する
・互いに補い合い、強みを活かし合う
それが、個人もチームも、 より大きな力を発揮する秘訣なのです。
TOP5だけが全てじゃない:隠れた強みと次へのステップ
「でも、自分のTOP5には特定の資質群が…」と感じるかもしれません。
しかし、TOP5だけで全体像を判断するのは早計です。
実は、6位から10位あたりにある資質も、意識すれば十分に「強み」になりますからね。
そこに、他の資質群の才能が隠れている可能性も十分あります。
いずれにしても、ご自身の資質の「集中」に気づけたのは、自己理解が進んだ証です。
自分の「輪郭」が分かった今こそ、
「この強みをどう活かすか?」
「誰と協力すれば、もっと力を発揮できるか?」
を考える良い機会です。
まとめ:4つの資質群を知り、自分の「動機」の傾向を掴もう
今回は、ストレングスファインダー(クリフトンストレングス®)の「4つの資質群」について解説しました。
それぞれが、私たちの才能の根底にある動機や価値観の傾向を示しています。
この分類を知ることが、自分らしさを理解する第一歩となるでしょう。
この自己理解を土台にして、自分らしい強みを発揮していってください!
最後に、全34資質を一覧でご紹介します。
各資質名から、それぞれの詳しい解説ページに移動できますので、ぜひご覧ください。
『ストレングスファインダー』は長年親しまれてきた名称ですが、現在は開発者の名を冠した『クリフトンストレングス®︎』が正式名称として使われています(提供元は変わらずGallup社)。
診断内容や考え方は同じものです。
この記事では、広く知られている『ストレングスファインダー』という言葉を用いますが、現在の正式名称は『クリフトンストレングス®︎』である点をご理解いただけますと幸いです。