「問題を放置したまま、別のことはできない」
「学生時代は、苦手科目の克服に力を入れていた」
「回復志向」の人は、この感覚がわかるのではないでしょうか。
「回復志向」は、身の回りの問題や課題にいち早く気づき、それを解決しようとしていく才能です。
トラブルを防いだり、滞っていた作業を立て直したり。
そんな場面で頼られることも少なくありません。
でもその一方で、気をつけないと少々やっかいなところも…。
ここでは、「回復志向」の特徴や活かし方、さらには注意点について、わかりやすく解説していきます。
回復志向は「問題を放っておけない」才能
「回復志向」の人は、2つの武器で組織やチームに貢献します。
1)問題や課題に気づくアンテナ
2)自ら解決させる行動力
「困っている人がいる」
「モノが壊れている」
「問題が発生している」
これらの状況に、「回復志向」のアンテナは敏感に反応します。
そして、その状況を「なんとかしたい」と考えます。
まさに、「放っておけない」状態。
例えば、時計が止まっているケース。
周りの人に「あとで確認するから気にしないで」と言われても、気になってしまうでしょうね。
「じゃあ、私が確認する」
そう言って、自ら行動。
そして、止まった理由を突き止め、電池を交換したり修理をしたりします。
(あわせて「活発性」を上位に持つ人は、周りに聞く前に動いているかもしれません)
この行動力も「回復志向」。
「止まっている時計に気づきながら、別の作業をするのが気持ち悪い」
「まずは、起こっている問題から片づけたい」
「回復志向」の人たちに生まれているのは、こんな感覚です。
(一方「最上志向」の人たちは、全く気にならないかもしれません(笑))
このアンテナと行動力は、職場でも家庭でも、とても貴重な才能ですね。
回復志向の公式解説動画
まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。
Gallupの公式動画です。
※ 視聴が困難な場合は、そのまま下の解説に進んでも、問題ありません。
生産工場で働いている男性。
モノを修理するのが好き。
問題を認識して、解決策を見つけることができる。
子供のころは、壊れているものをいつも探していた。
子供の頃のエピソードを聞くと、根っからの「回復志向」であることがわかりますね(笑)
また、今の仕事でのエピソードも印象的でした。
問題が見つかったときに、最初にする質問は「原因は何か」。
「回復志向」の人は、問題と関わる際、応急処置的な解決では満足しません。
「なぜ、その問題は発生したのか」
「その問題の、根本原因はなにか」
この視点で、解決すべきことを特定していきます。
解決に向けて具体的に行動するのは、そのあとでしょう。
問題の発生原因を突き止め、そこから根本解決を行っていく。
これが、「回復志向」のこだわりです。
回復志向は、物事をあるべき状態にする人
問題発見と、その解決を得意とする「回復志向」。
ベースに持っている感覚(欲求)は、「物事をあるべき状態にしたい」というものです。
ゴミが落ちている → 拾う(落ちていないのがあるべき状態)
困っている人がいる → 声をかける(困りごとがないのがあるべき状態)
「駅のホームなどで体調の優れない人を見かけると、声をかけていた」
これは、「回復志向」の人からよく聞くエピソードです。
(あわせて「信念」も上位に持つ人は、特にその傾向は強いでしょう)
この「あるべき状態にする」という感覚は、自分自身にも向けられます。
例えば、学生時代のテストで、以下のような状況だった場合。
国語 : 80点(平均点70点) …比較的得意
数学 : 50点( 同上 ) …苦手
英語 : 90点( 同上 ) …得意
「回復志向」的にフォーカスが当たる教科は、一目瞭然ですよね。
(ここでの「あるべき状態」は、「平均点以上」という捉え方)
国語と英語は、「あるべき状態」にあるので放っておいてもいい。
その代わり、数学はなんとかしないといけない。
これが、「回復志向」的な発想です。
一方、「最上志向」的な発想は異なります。
苦手教科の克服に、時間は使いたくない(もったいない)。
それよりも、国語や英語の点数を伸ばしたい。
ストレングスファインダー®は、資質のよって「こだわり(なんとかしたい)ポイント」が面白いくらいに違いますね。

回復志向の活かし方
身の回りで起こる問題や課題を放っておけない「回復志向」。
では、この資質は、仕事やプライベートで、どう活かすことができるのでしょうか?
組織やチームの課題に取り組む
問題や課題の存在にいち早く気づき、それを自ら解決しようとする「回復志向」。
活躍の場は、組織やチームでの「課題解決」でしょう。
・システムの不具合
・マニュアルの不備
・顧客とのトラブル
・人間関係のいざこざ、etc.
仕事をしていれば、日々様々な問題が起こります。
そして、そこへの取り組み(課題解決)は、どうしても億劫、面倒になりがちです。
(「最上志向」の人は、特にその傾向が強いかも)
でも、そんな場面を「待ってました!」と思えるのが「回復志向」。
これって、他の人から見ると本当に「ありがたい」存在ですよね。
また「回復志向」は、日ごろから「問題を探す」感覚があるんだとか。
(日々「問題は起こるもの」という前提がある)
そんな「回復志向」の人たちは、問題が大きくなる前(予兆の段階)に気づくことができます。
「放っておくと、あとから大変になる」
「今のうちに、何かしら手を打つべき」
そう思うと、じっとしていられないかもしれません(笑)
そして次の瞬間には、「原因の特定」に思考が動き出すのではないでしょうか。
「よく、あの段階で気づいてくれましたね」
「●●さんのおかげで、大事にならずに済みました」
周囲の人から、こんな感謝の言葉をもらう姿が想像できますね。
まさに、「回復志向」が発揮されている状態といえるでしょう。
困っている、悩んでいる人のサポートをする
身の回りで発生している「問題」を、あるべき状態(問題のない状態)にしようとする「回復志向」。
当然、その対象には「人」も入ります。
問題事を抱えて困っている人へのサポートは、一番わかりやすいでしょう。
そしてその対象は、「コト」だけでなく「ココロ」の問題を抱えている人。
「悩んでいる人」や「落ち込んでいる人」も含みます。
相手の思いに、丁寧に耳を傾ける。
親身になって相談に乗る。
「話を聞いてもらって、気持ちがラクになった」
「途方にくれていたけど、なんとかなりそうな気がしてきた」
親身な関りの結果、相手からこんな言葉を言ってもらった人も多いはず。
特に、「共感性」も上位に持つ人は、このような心理面のサポートは得意でしょう。

回復志向の人にあった仕事・職場
まず、大前提として、ストレングスファインダー®は、適職診断ツールではありません。
複数の人が、同じ仕事でそれぞれ成果を出している場面でも、「そこで発揮されている資質が全く違う」ということは、よくありますからね。
だからといって、「回復志向に適職なんてものはない!」と断言してしまうのも、どうかと思いますので、就職や転職など、「仕事探し」の際に持っておきたい視点をご紹介します。
人のケアをする仕事
問題のフォーカスを「人」に向けた場合、「医療従事者」はわかりやすい選択肢です。
身体の不調の原因を特定して、それを「あるべき状態(健康)」に戻す仕事ですからね。
医師
看護師
理学療法士
それ以外にも、「介護福祉士」「ソーシャルワーカー」「心理カウンセラー」など。
人が抱える問題を解消する仕事はたくさんあります。
これらの分野で活躍する「回復志向」の人たちは、たくさんいるでしょう。
問題解決のアドバイスを提供する仕事
問題のフォーカスを「コト」に向けた場合は、コンサルティング業務で「回復志向」らしさを発揮できるでしょう。
「経営戦略」「人事」「会計」「マーケティング」
その分野は多岐に渡ります。
共通しているのは、顧客が抱える問題とその根本原因を明らかにし、解決に向けたアドバイス、さらには実行支援をしていくということ。
身につけた専門性で、企業を「あるべき状態」に整えていく仕事といえますね。
ビジネス全般
「医療従事者」「企業コンサルタント」と具体的な例を2つ挙げましたが、「回復志向」が活かされる仕事はそこにとどまりません。
「誰かが抱える問題事を解決する」
そもそもビジネスは、すべてこの視点で成り立っていますからね。
飲食業界は、人の「空腹」を満たすビジネス。
金融業界は、人の「お金の心配」を解消するビジネス。
このように考えたら、一気に選択肢が広がるはず。
ただ、広がりすぎて選べなくなってしまうのも問題です。
「どんな人(企業)の、どんな問題事を解消したいのか」
「どんな人(企業)から、どんな感謝の言葉をもらいたいのか」
仕事や業界を検討する際は、ぜひこんな問いを自分に向けてください。
自然と、向かう先が見えてくるはずです。

回復志向の人はここに気をつけよう!
ここまで、「回復志向」の魅力、そして、その資質の活かし方などをお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®の上位資質は、二面性があります。
「意思が強い」と「頑固」みたいなものでしょうか。
これって、表裏一体なんですよね。
ここでは、「回復志向」が魅力的な資質だからこそ、「気をつけないと、もったいない!」という点を、2つお伝えします。
人の課題に首を突っ込み過ぎてしまう
問題や課題を放っておけない「回復志向」は、人が解決すべき課題に首を突っ込み過ぎることがあります。
いわゆる、過剰介入。
例えば、同僚が何か仕事上の問題を抱えている場面。
「回復志向」の人は、気になって仕方がないでしょう。
「手伝うよ、一緒にやろう」
つい、そんな言葉をかけたくなるのではないでしょうか。
このケース。気持ちはわかりますが、行き過ぎの介入は考えもの。
その善意が、同僚の成長(問題解決能力の向上)の機会を奪ってしまうかもしれませんからね。
大切なのは、「相手の目線」でベストな関りを考えること。
そしてその際に、「今」だけでなく「将来」も見据えること。
そうすれば、「ここは本人の経験のために見守ろう」と思える場面も出てくるでしょう。
「必要だったら手伝うから、その時は声をかけて」
先ほどの言葉が、こう変わるかもしれませんね。
自分や他人の欠点に目が行き過ぎてしまう
「回復志向」は、これが一番やっかい。
ストレングスコーチの中には、「共感性」と並んで「取り扱い注意の才能」と呼ぶ人もいるくらいです。
「自分のダメなところが気になってしまう」
「一人で勝手に自己嫌悪モードになる」
「回復志向」は、こんな状態に陥ることがあります。
いい状態のときは、自分の課題を克服しようと努力できる才能なんですけどね。
「私は●●ができない、頑張って何とかしよう」
「私は●●ができない、だから私はダメなんだ」
後者は、本当にもったいない。
これは、「できないこと」と「自分自身」を紐づけているのが問題です。
「●●ができない」「●●が下手」
確かにれは事実かもしれません。
でもその事実が、その人の価値を下げているわけではないですからね。
もし、自分がそんなモードになっていると気づいたら、大切なのは「思考(目線)の切り替え」です。
ひとつは、「できない」に「今はまだ」を加えること。
「できない」のではなく「今はまだできない」。
今の自分と、明日の自分は違いますからね。
「今」だけを見て、すべてを判断しないことがポイントです。
そしてもうひとつ。
これは、「できない」を数えるのではなく「できる」「できた」を数えることです。
こちらは思考の「クセづけ」が必要。
最初は、なかなか出てこないかもしれません。
周囲の人に、自分の「強み」や「良い点」についてフィードバックをもらうのもいいでしょう。
(大事なのは、それを素直に受け取ること)
そして、これらの「思考の切り替え」は、自分だけでなく他人に向けても同様です。
「回復志向」は、他人の欠点に目が行きがちなところがありますからね。
「あの人は、今はまだ●●ができない」
「あの人は、●●はできないけど、〇〇はできる」
この視点です。
自分にも他人にも、厳しくなり過ぎないようにしたいですね。

もっと回復志向を活かしていくために
ここまで、「回復志向」についてお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®は、もっと奥が深いですからね。
上位資質は、深く知れば知るほど、人生(キャリア)を豊かにする自分だけの道具になっていきます。
ここからは、そのヒントを2つご紹介します。
回復志向×〇〇の組み合わせ
資質は、単独でも特徴はありますが、実際に私たちの中で「強み」として発揮されるとき、決まって「回復志向×〇〇」のように、2つ以上の資質がかけ合わさった形で現れます。
これこそが、ストレングスファインダー®の奥深さであり、私たち一人ひとりの個性です。
上位トップ5の資質が、他の人と全く同じになる確率は、3,300万分の1。
そして、「資質×資質」の組み合わせパターンは、561通り。
上位に同じ「回復志向」を持っていたとしても、それ以外にどんな資質を上位に持っているかによって、その人の「回復志向」が解き放つ魅力は、他の人とは全く異なります。
ここでは、参考までに、「回復志向×〇〇」の例を2つご紹介します。
回復志向×成長促進
新人や後輩など、成長途上にある相手に献身的なサポートをすることができる人。
その相手の成長スピードがどれだけ遅くても、本人以上にその相手の可能性を信じ、できないことができるようになるまで、とことん関わっていく。
回復志向×達成欲
問題や課題を見つけると、何よりもまずそこを片付けようとする人。
その関わる問題が経験のないことや、困難な内容であったとしても、途中で投げ出すことなく最後までやり遂げようとしていく。
ストレングスコーチを使ってみよう
「回復志向×〇〇」の例、いかがでしたか?
この組み合わせは、まだ残り31通りありますからね。
ストレングスファインダー®の書籍を買って、アセスメントを行い、該当するページを読む。
確かにそれも大事ですが、私の感覚では、その段階でのストレングスファインダー®の理解度は、3割程度。
理解度が3割ということは、今後の活用度も3割ですからね。
これでは、せっかく本を買ったのにもったいない。
最新の調理家電を買ったのに、「あたため」しか使わないようなものです。
ストレングスファインダー®は、自分の中に備わっている「人生を豊かにする道具」の存在を自覚するもの。
そして、その道具を、みなさんと一緒に明らかにするサポート・ガイド役となるのが、ストレングスコーチです(私もその一人ですけどね)。
一度きりの人生。もっと自分らしく。もっとラクに。
そう思う人は、一度ストレングスコーチとの「個人セッション」を受けてみてください。
(ちなみに、私のコーチ資格取得は、この「個人セッション」体験での感動がきっかけでした)
※このサイトでも、いずれ「個人セッション」の受付を行います。
以上、「回復志向」について、ご紹介をしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ぜひ、ご自分が上位に持つ他の資質についても、当サイトでご確認ください。
Use your strengths to be yourself.
~強みを活かして、あなたらしい人生を~
実行力 | 影響力 | 人間関係 構築力 |
戦略的 思考力 |
---|---|---|---|
達成欲 | 活発性 | 適応性 | 分析思考 |
アレンジ | 指令性 | 運命思考 | 原点思考 |
信念 | コミュニケーション | 成長促進 | 未来志向 |
公平性 | 競争性 | 共感性 | 着想 |
慎重さ | 最上志向 | 調和性 | 収集心 |
規律性 | 自己確信 | 包含 | 内省 |
目標志向 | 自我 | 個別化 | 学習欲 |
責任感 | 社交性 | ポジティブ | 戦略性 |
回復志向 | 親密性 |