「ひとりで考える時間がないと、なんだか落ち着かない」
「物事の本質や意味を、自分なりに深く理解したい」
「内省」の人は、この感覚がわかるのではないでしょうか。
「内省」は、自分の中で思考を巡らせ、物事の本質を掘り下げていく才能です。
「考え始めると、つい時間を忘れてしまう」
そんな経験をしたことがある人も多いでしょうね。
ここでは、「内省」の特徴や活かし方、さらには注意点について、わかりやすく解説していきます。
内省は「脳内会議」の才能
「内省」の人は、日々の中でふとした瞬間にも頭の中で対話をしています。
それは、今起きている出来事の意味を考えたり、自分の感じたことを振り返ったり。
まるで、自分の中にもうひとり“考える自分”がいるような感覚かもしれません。
例えば、仕事で議論が白熱している場面。
「なぜあの人は、あの発言をしたのだろう?」
「この出来事の背景には、どんな意図があるのか?」
「内省」の人は、表面的な事実だけでなく、その裏にある構造や意味を掘り下げようとします。
すぐに口を出すよりも、まずは自分の中でいくつもの視点から考えを巡らせていく。
この“内なる会議”を通して、自分の考えに奥行きが生まれたり、納得感のある答えにたどり着いたりすることもあるでしょう。
この「内省」とよく対比されるのが「活発性」です。
「活発性」は、とにかく動きながら考えることで前進していく才能。
一方、「内省」は、立ち止まって深く考えることで、自分なりの答えを導き出していく才能です。
どちらも上位に持つ人は、「動きながら考える」よりも「考えてから動く」スタイルを柔軟に切り替えられるタイプかもしれませんね。
逆に「内省」だけが上位の人は、「じっくり熟考してから行動する」タイプといえるでしょう。
頭の中に静かな会議室を持ち、問いを重ねながら思考を深めていく。
それが「内省」の持つ力です。
この才能がある人がいるだけで、チームに深みや説得力をもたらしてくれるでしょう。
内省の公式解説動画
まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。
Gallupの公式動画です。
※ 視聴が困難な場合は、そのまま下の解説に進んでも、問題ありません。
車の運転のエピソードがとても印象的な男性です。
考えに没頭していて、高速の出口を通り過ぎてしまう。
一人で考える時間は、自分に活力を与えてくれる。
考える時間があることで、自信を持って行動することができる。
このようなことを話していましたね。
言葉の端々から感じられたのは、「考えること」がこの人にとって、ただの思考ではなく、日常の一部になっていること。
問いを立てて、仮説を考え、整理していく。
そのプロセスを通じて、自分なりの答えを見つけ出していく。
これを「誰かと」ではなく「一人で」やるのが、「内省」の人たちです。
「内省」は、静かな時間の中で思考を深め、自分の言葉で物事を理解していく才能。
一見止まっているように見えても、内側では豊かな対話が続いています。
その静かなプロセスこそが、「内省」の人たちの自信につながっていくのでしょうね。
内省は、じっくり思考を巡らせる人
「内省」は、行動の前にじっくりと考える時間を大切にします。
何かに取り組むとき、すぐに動くのではなく、まずは一歩引いて考える。
「なぜこれをやるのか」「どんな進め方がいいか」など、自分の中でじっくり整理してから動こうとします。
このプロセスがあるからこそ、迷いなく行動に移せるのでしょうね。
特に、何かを任されたとき。
ただ言われた通りに進めるのではなく、その背景や意味に思いを巡らせます。
「どうすればより意義あるものになるか」そんな視点で考えながら、じっくりと進めていく。
そのスタンスは、一見ゆっくりに見えるかもしれません。
でも、しっかりと考えた上で動くからこそ、途中で迷わず、最後までブレずに進めることができます。
そして、出てくるアウトプットにも、「その人らしい視点」や「丁寧に考えた形跡」が感じられるでしょう。
また、チームにとっても「内省」の人の存在はとても貴重です。
短絡的な判断になるのを防ぎ、「本当にこれでいいのか?」を問い直す空気をつくってくれますからね。
すぐに答えを出すよりも、納得してから進む。
それが、「内省」の人の強みです。
静かに思考を重ねたあとに生まれる行動は、信頼につながる力があります。

内省の活かし方
物事の意味や背景を、自分の中で深く掘り下げていくことができる「内省」。
では、この資質は、仕事やプライベートで、どう活かすことができるのでしょうか?
自分だけの考える時間を確保する
「内省」の人にとって、ひとりで考える時間は欠かせません。
ずっと誰かと一緒にいたり、次から次へと情報が入ってくると、思考のリズムが崩れてしまう。
自分の中で考えがまとまらず、どこか落ち着かない感覚になることもあるでしょうね。
だからこそ、意識的に「ひとりで考える時間」を確保することが大切です。
通勤中の静かな時間。
朝や夜の、誰にも邪魔されないひととき。
考えを巡らせる余白があるだけで、「内省」の人はぐっと安定して過ごせるようになるはず。
仕事中でも、静かな時間をつくる工夫はできます。
例えば、昼休みにひとりの時間をつくってみたり、誰もいない会議室で静かにアイデアを練ってみたり。
ちょっとした工夫で、思考に集中できる時間を守ることができるでしょう。
「思考する時間がない」と感じる日々が続くと、「内省」の人は気づかないうちにエネルギーを消耗してしまいますからね。
自分だけの静かな時間。
そこにしっかりと居場所をつくってあげることが、「内省」の力を引き出す秘訣です。
考えを書き出して整理する
「内省」の人は、頭の中でじっくりと考える時間が何より大切です。
ただ、考えることが多すぎると、いつのまにか思考が堂々巡りになってしまうことも。
そんなときにおすすめなのが、「書き出すこと」。
考えていることをノートやメモに書いてみる。
そうすると、頭の中だけでは見えなかった整理の糸口が、見えてくるでしょう。
・今、自分は何を考えているのか
・なぜ、そこに引っかかっているのか
・この思考の先に、何を求めているのか
書いていくうちに、気づけば答えが見えてくることもあるでしょう。
書き方にルールはありません。
箇条書きでも、日記のような文章でも、自分の思考に合ったスタイルで大丈夫。
「思考を深めるために、書く」
考えがまとまらないときほど、ペンを手にとる。
そうすることで、頭の中の“脳内会議”が少しずつ整理されていくでしょう。

内省の人にあった仕事・職場
まず、大前提として、ストレングスファインダー®は、適職診断ツールではありません。
複数の人が、同じ仕事でそれぞれ成果を出している場面でも、「そこで発揮されている資質が全く違う」ということは、よくありますからね。
だからといって、「内省に適職なんてものはない!」と断言してしまうのも、どうかと思いますので、就職や転職など、「仕事探し」の際に持っておきたい視点をご紹介します。
じっくり考える時間を確保できる仕事
「内省」の人にとって、思考はただの習慣ではなく、毎日の生活に欠かせない「営み」です。
静かに頭の中を巡る「問い」や「対話」。
その時間が確保されているかどうかで、仕事のやりやすさも、成果の質も大きく変わってきます。
だからこそ、「じっくり考える時間」がある仕事。
それこそが、「内省」の人が心から安心して力を発揮できる土台といえるでしょう。
例えば、以下のような仕事です。
・研究職や企画職など、自分のペースで思考を深められる仕事
・一人で集中する時間が尊重される職場環境(在宅勤務やフリーランスも含めて)
・「なぜ?」「どうして?」と問いを掘り下げることが求められる分析系の業務
これらの仕事では、誰かに急かされるよりも、考え抜くこと自体が評価されます。
まさに「内省」の人の持ち味が、そのまま価値になる環境といえそうですね。
逆に、ひっきりなしに会話が飛び交うオフィスや、スピード重視の現場では、エネルギーを消耗してしまうかも。
「一人になれる時間があるか?」
「自分のペースで考える余白があるか?」
こうした視点で職場環境を選ぶだけでも、「内省」の力は自然と引き出されていくでしょう。
専門知識を深められる仕事
「内省」の人にとって、学ぶことはただ情報を得ることではありません。
気になるテーマにじっくり向き合い、自分なりに意味づけていく。
そのプロセス自体に、やりがいやおもしろさを感じるのではないでしょうか。
だからこそ、表面的な理解で終わらせるような仕事や、次々と新しいことに手を出していくような環境では、力が発揮しづらいかもしれません。
むしろ、「ひとつの分野をじっくり深掘りしていく」ような仕事。
このほうが、「内省」の人には、ぐっとしっくりくるはずです。
例えば、以下のような職種です。
・研究開発や技術職など、専門性を高めていく職種
・学び続けることが求められる教育・研修関連の仕事
・特定分野の知識をもとに分析や判断を行う専門職(法務・財務・医療など)
これらの仕事では、知識をただ使うのではなく、知識の「意味」を問い直したり、「応用の可能性」を考えたりと、思考のプロセスそのものが成果につながります。
深く考え、納得した上で前に進みたい「内省」の人にとっては、まさにぴったりのフィールドといえるでしょうね。

内省の人はここに気をつけよう!
ここまで、「内省」の魅力、そして、その資質の活かし方などをお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®の上位資質は、二面性があります。
「意思が強い」と「頑固」みたいなものでしょうか。
これって、表裏一体なんですよね。
ここでは、「内省」が魅力的な資質だからこそ、「気をつけないと、もったいない!」という点を、2つお伝えします。
考えすぎて動けなくなってしまう
「内省」の人は、じっくりと物事を考えることを大切にします。
それは、この資質の最大の強み。
ただ、思考のスイッチが入りすぎてしまうと、なかなか次の一歩が踏み出せなくなることも。
「まだ答えが出ていない気がする」
「もっとよく考えてからにしよう」
そんなふうに自分にブレーキをかけてしまい、行動が止まってしまうことがあるかもしれません。
「もっと深く」「もっと丁寧に」と考えることは、もちろん大事です。
でも、実際に行動してみないと見えてこないこともありますからね。
特に、「慎重さ」や「原点思考」などもあわせて上位に持っている人は、思考が「出口のないループ」に入りやすい傾向があります。
そんなときは、思い切って「今わかっている範囲で、まずやってみる」こと。
行動してからもう一度考え直す、というリズムをつくってみてもいいでしょう。
「考えること」と「動くこと」のバランスを少しずつ調整していく。
それが、「内省」の力を日常の中でうまく活かしていくコツといえるでしょう。
一人で抱え込み過ぎてしまう
「内省」の人は、じっくりと自分の中で考えることを大切にします。
静かな時間の中で思考を深め、自分の中で納得できる答えを見つけていく。
そのプロセスが、自分らしくいられるための大切な時間になっている人も多いでしょう。
でも、ときにその「自分の中で解決しようとする姿勢」が、裏目に出ることもあります。
例えば、誰かに相談すればすぐに片づくことでも、
「もう少し自分で考えてからにしよう」
「まだ十分に整理できていない」
そんなふうに、自分の中に留めてしまうこともあるかもしれません。
もちろん、それは悪いことではありません。
むしろ、よく考えてから話す姿勢は、周囲から信頼される強みでもあります。
でも、そのまま誰にも話さずにいると、思考がぐるぐると回り続け、気づけば疲れを感じてしまうこともあるでしょう。
そんなときは、「今、まとまっていないけど、ちょっと聞いてもらっていい?」と小さく外に出してみるのが効果的。
誰かに話すことで、思考が整理されたり、違う視点に気づけたりすることもありますからね。
「一人で考えること」と「誰かに頼ること」
このふたつをうまく使い分けられるようになると、「内省」の強みはもっと自然に活かせるようになるでしょう。

もっと内省を活かしていくために
ここまで、「内省」についてお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®は、もっと奥が深いですからね。
上位資質は、深く知れば知るほど、人生(キャリア)を豊かにする自分だけの道具になっていきます。
ここからは、そのヒントを2つご紹介します。
内省×〇〇の組み合わせ
資質は、単独でも特徴はありますが、実際に私たちの中で「強み」として発揮されるとき、決まって「内省×〇〇」のように、2つ以上の資質がかけ合わさった形で現れます。
これこそが、ストレングスファインダー®の奥深さであり、私たち一人ひとりの個性です。
上位トップ5の資質が、他の人と全く同じになる確率は、3,300万分の1。
そして、「資質×資質」の組み合わせパターンは、561通り。
上位に同じ「内省」を持っていたとしても、それ以外にどんな資質を上位に持っているかによって、その人の「内省」が解き放つ魅力は、他の人とは全く異なります。
ここでは、参考までに、「内省×〇〇」の例を2つご紹介します。
内省×学習欲
知的好奇心を原動力に、学んだことを自分の中でじっくりと消化し、深い理解へと落とし込んでいく人。
気になるテーマを掘り下げながら、学びと思考のサイクルを繰り返す中で、知識を確かな知恵へと変えていく。
内省×回復志向
問題や不具合の本質を見極めるために、自分の中でじっくりと考えを巡らせていく人。
表面的な対応では終わらせず、再発を防ぐための仕組みや原因への理解を深めながら、納得のいく解決策を丁寧に組み立てていく。
ストレングスコーチを使ってみよう
「内省×〇〇」の例、いかがでしたか?
この組み合わせは、まだ残り31通りありますからね。
ストレングスファインダー®の書籍を買って、アセスメントを行い、該当するページを読む。
確かにそれも大事ですが、私の感覚では、その段階でのストレングスファインダー®の理解度は、3割程度。
理解度が3割ということは、今後の活用度も3割ですからね。
これでは、せっかく本を買ったのにもったいない。
最新の調理家電を買ったのに、「あたため」しか使わないようなものです。
ストレングスファインダー®は、自分の中に備わっている「人生を豊かにする道具」の存在を自覚するもの。
そして、その道具を、みなさんと一緒に明らかにするサポート・ガイド役となるのが、ストレングスコーチです(私もその一人ですけどね)。
一度きりの人生。もっと自分らしく。もっとラクに。
そう思う人は、一度ストレングスコーチとの「個人セッション」を受けてみてください。
(ちなみに、私のコーチ資格取得は、この「個人セッション」体験での感動がきっかけでした)
※このサイトでも、いずれ「個人セッション」の受付を行います。
以上、「内省」について、ご紹介をしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ぜひ、ご自分が上位に持つ他の資質についても、当サイトでご確認ください。
Use your strengths to be yourself.
~強みを活かして、あなたらしい人生を~
実行力 | 影響力 | 人間関係 構築力 |
戦略的 思考力 |
---|---|---|---|
達成欲 | 活発性 | 適応性 | 分析思考 |
アレンジ | 指令性 | 運命思考 | 原点思考 |
信念 | コミュニケーション | 成長促進 | 未来志向 |
公平性 | 競争性 | 共感性 | 着想 |
慎重さ | 最上志向 | 調和性 | 収集心 |
規律性 | 自己確信 | 包含 | 内省 |
目標志向 | 自我 | 個別化 | 学習欲 |
責任感 | 社交性 | ポジティブ | 戦略性 |
回復志向 | 親密性 |