ストレングスファインダー®の「包含(ほうがん)」は、まず読み方が難しい(笑)
そしてこの資質は、「包む」という言葉が表すように、「包容力」の才能とも呼ばれます。
孤独な人をつくりたくない。
全員が、チームの一員であるべき。
こんなあたたかい価値観のもと、人を選ぶことなく、みんなを輪の中に引き入れていきます。
この「包みこむあたたかさ」から、「菩薩」とも形容される資質なのですが、一方で「活かし方がわからない」と話す人も多いようです。
「包含」を上位に持つみなさんは、仕事やプライベートで、この資質を効果的に使えているでしょうか?
ここでは、「包含」の特徴や活かし方、さらには注意点について、わかりやすく解説をしていきます。
では、いってみましょう!
包含は「どんな人でも受け入れる」器の才能
小学校のお昼休み時間、校庭の隅っこで、一人でいる子を放っておけない。
遠足の時に、一人でお弁当を食べている子を放っておけない。
根っからの「包含」の人は、この感覚がわかるのではないでしょうか。
また、いじめられている子がいたときに、その子を放っておけず、人知れずそっと声をかけるのも「包含」の人といわれています。
とても、優しい人(才能)ですよね。
人を外見や能力、肩書で判断しない。
あらゆる多様性を尊重し、そのうえで「みんなでひとつの輪」をつくろうとしていく。
これが、「包含」が大切にする価値観です。
また、学生時代に「特定の仲良しグループに所属しなかった」というエピソードも、「包含」の人からは良く聞きます。
「分断」は嫌い、「みんなで」が好き。
これが「包含」です。
包含の公式解説動画
まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。
Gallupの公式動画です。
※ 視聴が困難な場合は、そのまま下の解説に進んでも、問題ありません。
優しそうな雰囲気とともに、どこか芯の強さも感じさせる女性です。
「包含は、ひとつのチームであることを意味する」
「チームの全員が参加していたかどうかが大切」
「成功は、どれだけコラボレーションできるかにかかっている」
これらの言葉に、一切の迷いがありませんでした。
「包含」は、「できる人がやる」のではなく、「みんなでやる」全員参加のチームをつくります。
人によっては、それを非効率と感じることもあるでしょう。
(「最上志向」の人は、その傾向が強いかもしれません)
でも「包含」が大切にする価値観は、「みんなで」「一緒に」。
そして、それこそが成功への道と信じてます。
包含は、「自分の居場所」を感じさせてくれる人
「包含」は、性格や能力、経験によって、人を選り好みをすることはありません。
組織に新しいメンバーが加わった際には、真っ先に声をかけ、一日も早く他のメンバーに溶け込めるよう働きかけるでしょう。
「〇〇さんのおかげで、チームに馴染むことができました」
「〇〇さんのおけがで、安心してチームに参加できました」
「包含」を上位に持つ人は、こんな言葉をかけられたことがあるかもしれませんね。
「包含」は、独りぼっちの存在を、そのままにしません。
相手がどんな人でも、自ら声をかけ、輪の中に引き入れていきます。
そして、「輪の中に入れて終わり」とはならず、まだまだ世話を焼きます(笑)
輪の中に入れたあとは、その本人が「自分がチームの一員であること」を実感できるような居場所(役割)を用意してあげようとする。
ここまでやるのが「包含」です。
ホント優しい…。
このあたりが、「菩薩の才能」ともいわれる所以かもしれませんね。
包含の活かし方
人の多様性を受け入れ、どんな相手も輪(チーム)に引き入れていく「包含」。
では、この資質は、仕事やプライベートで、どう活かすことができるのでしょうか?
チームの一体感を高めよう
「包含」を、チームビルディングの才能という人もいます。
人は、誰でも相性があります。
そして、「どうせ働くなら気の合う仲間と」とか、「仕事ができる人たちと」と思う人も多いでしょう。
「包含」の人にも、相性の「合う」「合わない」はあります。
でも「包含」の人は、その感覚をチームビルディングに持ち込みません。
「チームには、いろいろな人がいて当たり前」
「すべての人が、チームの一員として存在すべき」
この価値観のもと、人を区別することなく、全員と分け隔てなく関わります。
大所帯の組織で「派閥」のようなものができたときに、そこに所属することはないでしょう。
「派閥」を超えて情報が共有されるように、できれば「派閥」そのものがなくなるように、行動をしていくはずです。
「みんなで」「一緒に」を大切にする「包含」。
この人がいるチームは、自然と「一体感」が強化されていくはずです。
チームの可能性を広げよう
人のバックボーンや経験を尊重する「包含」は、「器(うつわ)」の才能とも呼ばれます。
「包含」の人がまとめるチームでは、さまざまな経歴・スキルを持つ人が、存分に「自分ならでは」の能力を発揮していくことでしょう。
似たもの同士のチームは、確かに居心地がいいかもしれません。
ただ、似たもの同士のチームでは、発想や発揮する能力に、どうしても限界が生まれます。
異なる才能が交わるからこそ生まれる新しい発想。
これこそが、チームの可能性です。
多様性を歓迎する「包含」は、チームの可能性を広げる才能といえるでしょう。
包含の人にあった仕事・職場
まず、大前提として、ストレングスファインダー®は、適職診断ツールではありません。
複数の人が、同じ仕事でそれぞれ成果を出している場面でも、「そこで発揮されている資質が全く違う」ということは、よくありますからね。
だからといって、「包含に適職なんてものはない!」と断言してしまうのも、どうかと思いますので、就職や転職など、「仕事探し」の際に持っておきたい視点をご紹介します。
個人ではなく、チームで成果を出す仕事
「みんなで」「一緒に」をキーワードに持つ「包含」。
一匹オオカミのように、自分ひとりで成果をあげる仕事よりも、チームで行う仕事のほうが、日々充実感を味わうことができるでしょう。
例えば、営業や販売のように「一人でも」「チームでも」行える仕事の場合、職場選びが重要です。
一人ひとりが独立し、同僚を競争相手と見立てて競い合うような職場は、「包含」の人には息苦しいかもしれません。
(営業成績のグラフが張り出されているイメージ)
それよりも、一人(一社)の顧客に対して、チーム全員で協力しあいながら成果をあげようとする職場のほうが向いているでしょう。
そう考えると、「職種選び」よりも「職場(会社)選び」の方が重要といえそうです。
様々なバックグラウンドの人をまとめる仕事
人の多様性を受け入れる「器(うつわ)」の才能である「包含」。
その才能を活かさないのは、もったいないですね。
「包含」は、管理職になったり、プロジェクトのリーダーを任されたりした場合に、その才能を存分に発揮するでしょう。
職場は同じでも、そこで働く人の考えはさまざまです。
価値観や経験が違えば、そののギャップはさらに大きくなるはず。
それを、うまく束ねるのが「包含」です。
「〇〇さんは、そう思うんだ」
「へぇ~、□□さんは、そうじゃないんだ」
「包含」は、自分と異なる価値観を、否定することなく、しっかりと受け止め理解しようとします。
「異質が交わると、派閥・分断が生まれる」のではなく、「異質が交わることで、コラボレーションが生まれる」。
先ほどの動画の男性も話していましたが、この感覚が「包含」です。
いろいろな人が集まる職場・チームで、なくてはならない存在になりそうですね。
包含の人は、ここに気をつけよう!
ここまで、「包含」の魅力、そして、その資質の活かし方などをお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®の上位資質は、二面性があります。
「意思が強い」と「頑固」みたいなものでしょうか。
これって、表裏一体なんですよね。
ここでは、「包含」が魅力的な資質だからこそ、「気をつけないと、もったいない!」という点を、2つお伝えします。
人を強引に輪の中に入れてしまう
「みんなで」「一緒に」を大事にする「包含」。
その奥には、「孤独な人をつくりたくない」という思いがあります。
そんな「包含」の人は、一人で過ごしている人を見ると、「こっちにおいでよ」と声をかけたくなるはず。
この声かけ。
輪の中に入りたがっている人には、とてもありがたい助け舟。
でも、一人でいたいと思っている人には、「ありがた迷惑」になってしまいます。
実は「包含」は、自分自身が「独りぼっちはイヤ」という感覚を持っているんだとか。
だからこそ、「みんなも一人はイヤに決まってる」という、思い込みがあるのかもしれません。
「相手は、一人でいることを望んでいるのか」
「それとも、輪の中に入りたいと思っているのか」
「声をかけたい!」と思った時には、この問いを忘れないようにしたいですね。
チーム内をカオスにしてしまう
「包含」の人が持つ「みんなを輪の中に入れたい」という欲求は、これまでお伝えしてきたとおりです。
この欲求は、暴走するとチームの生産性低下。
さらには、チーム内を混乱させてしまう可能性があります。
例えば、3~4人で行うのが効率のいい業務。
「包含」は、「みんなでやろう!」と、大勢の人を巻き込んでしまうかもしれません。
これは、生産性の低下につながりますね。
また、気の合う仲間同士で過ごしている時に、「包含」の人は、そこに新しい人をどんどん招き入れようとするかも。
これは、「包含」の人にとっては満足のいく状態かもしれませんが、それ以外の人は「せっかくいい環境だったのに」と不満を抱く可能性があります。
(「親密性」の人は、特にその傾向があるかも)
「自分は、みんなを輪の中に入れたい」
「でも、他の人たちはどう思っている?」
「包含」の人は、この問いを持っておきたいですね。
もっと包含を活かしていくために
ここまで、「包含」についてお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®は、もっと奥が深いですからね。
上位資質は、深く知れば知るほど、人生(キャリア)を豊かにする自分だけの道具になっていきます。
ここからは、そのヒントを2つご紹介します。
包含×〇〇の組み合わせ
資質は、単独でも特徴はありますが、実際に私たちの中で「強み」として発揮されるとき、決まって「包含×〇〇」のように、2つ以上の資質がかけ合わさった形で現れます。
これこそが、ストレングスファインダー®の奥深さであり、私たち一人ひとりの個性です。
上位トップ5の資質が、他の人と全く同じになる確率は、3,300万分の1。
そして、「資質×資質」の組み合わせパターンは、561通り。
上位に同じ「包含」を持っていたとしても、それ以外にどんな資質を上位に持っているかによって、その人の「包含」が解き放つ魅力は、他の人とは全く異なります。
ここでは、参考までに、「包含×〇〇」の例を2つご紹介します。
包含×個別化
一人でいる人を放っておくことなく、「〇〇さんも一緒にやろう」とチームの中に引き込んでいく。
チーム内では、メンバーと画一的に関わることはせず、一人ひとりの個性や考え方を尊重し、その個性が存分に発揮され、かつ、チームが一体となって活動できるように、個人とチーム全体の双方への配慮を忘れない。
包含×公平性
常にチーム全体に気を配り、所属する全員が自分の居場所を実感でき、かつ、メンバー間に不公平感が生まれないよう、気を配ることができる人。
チームで何かを決める際には、一部のメンバーで話し合うことをせず、関係する全員の意見にもれなく耳を傾けることで、メンバーの帰属意識や、チームの一体感を高めていく。
ストレングスコーチを使ってみよう
「包含×〇〇」の例、いかがでしたか?
この組み合わせは、まだ残り31通りありますからね。
ストレングスファインダー®の書籍を買って、アセスメントを行い、該当するページを読む。
確かにそれも大事ですが、私の感覚では、その段階でのストレングスファインダー®の理解度は、3割程度。
理解度が3割ということは、今後の活用度も3割ですからね。
これでは、せっかく本を買ったのにもったいない。
最新の調理家電を買ったのに、「あたため」しか使わないようなものです。
ストレングスファインダー®は、自分の中に備わっている「人生を豊かにする道具」の存在を自覚するもの。
そして、その道具を、みなさんと一緒に明らかにするサポート・ガイド役となるのが、ストレングスコーチです(私もその一人ですけどね)。
一度きりの人生。もっと自分らしく。もっとラクに。
そう思う人は、一度ストレングスコーチとの「個人セッション」を受けてみてください。
(ちなみに、私のコーチ資格取得は、この「個人セッション」体験での感動がきっかけでした)
※このサイトでも、いずれ「個人セッション」の受付を行います。
以上、「包含」について、ご紹介をしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ぜひ、ご自分が上位に持つ他の資質についても、当サイトでご確認ください。
Use your strengths to be yourself.
~強みを活かして、あなたらしい人生を~