「失敗するのはイヤ」
「行動の前には、できるだけリスクを減らしたい」
「慎重さ」の人は、この感覚がよくわかるかもしれませんね。
「慎重さ」は、物事を冷静に見極め、安全な選択をしようとする才能。
「念のため、もう一度確認しておこう」
「あとで〇〇が起こるかもしれない。その準備もしておこう」
そんなふうに、失敗を防ぐための思考が、日常的に働いています。
ここでは、「慎重さ」の特徴や活かし方、さらには注意点について、わかりやすく解説していきます。
慎重さは「リスクマネジメント」の才能
どんな選択にも、リスクはつきもの。
だからこそ、「慎重さ」の人は、まず冷静に状況を分析し、リスクを減らすための最善策を考えます。
例えば、新しい企画を進める場面。
「この計画に抜け漏れはない?」
「想定外の問題が起きたとき、どう対応する?」
「慎重さ」の人は、こうした問いを繰り返しながら、準備を整えます。
これは、見落としを防ぎ、失敗のリスクを最小限に抑えるため。
また、大きな決断を迫られたときでも、「まずは情報を集めよう」と即断せず、じっくり考えることが多いのではないでしょうか。
「より安全で確実な選択肢はどれか?」
「今は動くべきタイミングなのか?」
慎重に判断を下すことで、無駄なリスクを回避し、安定した成果につなげていきます。
この「リスクを抑える姿勢」は、「活発性」とよく対比されます。
「活発性」は、リスクを恐れず行動し、失敗を「経験」と捉えていく才能。
一方の「慎重さ」は、失敗を避けるために、十分な準備を整えてから行動する才能。
どちらも上位に持つ人は、「考えつつも、決めたらすぐに動く」バランス型かもしれませんね。
逆に「慎重さ」だけが上位の人は、「納得できるまで準備を重ね、確信を持って進む」タイプといえそうです。
しっかりと準備し、リスクを回避しながら、最も確実な道を選び取る。
まさに「リスクマネジメント」の才能ですね。
チームに「慎重さ」の人が一人いるだけで、メンバーは安心感を得られ、活動の成功率も一気に高まるでしょう。
慎重さの公式解説動画
まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。
Gallupの公式動画です。
※ 視聴が困難な場合は、そのまま下の解説に進んでも、問題ありません。
家族との旅行計画について語る女性。
「旅行の計画に1年かける」
「慎重さ」以外の人からすると、考えられない言葉かもしれません(笑)
さらに、こんなことも話していました。
「大きな決断をする前には、すべての選択肢を調べ、あらゆる可能性を見直す」
「うまくいかないかもしれないことを想定し、バックアップの計画を立てる」
行動の前には必ず考える。
その時間があるからこそ、納得のいく決断ができる。
これこそが、「慎重さ」の人たちが大切にしている価値観です。
慎重さは、行動の成功率を高める人
「石橋を叩いて渡る」
これはまさに、「慎重さ」の人を表す言葉かもしれません。
行動に移す前に、可能な限りの情報を集め、あらゆるリスクを想定する。
準備を万全にし、確信を持てる状態になってから動く。
仕事でもプライベートでも、これが「慎重さ」の人のスタイルです。
例えば、初めての仕事に取り組む場面。
「今の計画に落とし穴はないか?」
「想定外の問題が発生したら、どう対応する?」
「慎重さ」の人は、こうした問いを繰り返しながら、最も安全で、ミスを最小限に抑えられる方法を見極めていきます。
そしてこの姿勢が、大きなトラブルを未然に防ぎ、安定した成果につながっていきます。
「この人が確認してくれたなら、大丈夫」
「この人が担当なら、安心できる」
周囲の人からそう思われることも多いでしょうね。

慎重さの活かし方
「もしも」に備え、万全の準備を整えることができる「慎重さ」。
では、この資質は、仕事やプライベートで、どう活かすことができるのでしょうか?
的確な判断でミスを防ぐ
「何か見落としていないか?」
「本当にこのまま進めて大丈夫?」
「慎重さ」の人は、そんな問いを自然に持つことができます。
ちょっとした違和感や、見過ごされがちなポイントに目を向け、先回りして対処する。
これが「慎重さ」の人の強みです。
例えば、チームで企画書をチェックする場面。
「このデータ、最新のものに更新されている?」
「このフレーズ、解釈が分かれるかもしれない」
細かなミスを未然に防ぎ、結果として、仕事の精度を上げることができます。
また、「慎重さ」の人は、新しい業務の進め方を決めるときも、見落としがないかを確認し、周囲の動きにも目を配ります。
その姿勢が、チームのミスを未然に防ぐことにもつながるでしょう。
「とりあえずやってみよう」ではなく、「万全の準備を整えてから進める」。
この確実性へのこだわりこそが、「慎重さ」の強みです。
「この人が見てくれているなら大丈夫」
そんな安心感を、周囲に与えることも多いでしょうね。
最悪のシナリオを防ぐ
「このまま進めて、本当に問題は起きないだろうか?」
「慎重さ」の人は、そんな最悪のケースを常に考えながら行動します。
それは悲観的だからではなく、リスクを事前に察知し、あらかじめ対策を講じておくため。
例えば、重要なプレゼンや会議の前。
「この提案で、関係者の同意は得られる?」
「想定していない質問がきたら、どう対応する?」
「慎重さ」の人は、こうしたリスクを考え、事前に関係者と意見をすり合わせたり、議論の流れを整理したりします。
事前に確認や調整を行うことで、当日の想定外の反対や混乱を防げるでしょう。
また、「慎重さ」の人は、目の前の判断が思わぬ問題を招かないか、注意深く見極めます。
「スケジュールに無理はないか」
「重要な確認事項が抜けていないか」
こうした視点を持つことで、進行中のミスや抜け漏れを防ぎ、結果的に大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
「慎重さ」の人が近くにいれば、周りの人は安心して前に進むことができるでしょうね。

慎重さの人にあった仕事・職場
まず、大前提として、ストレングスファインダー®は、適職診断ツールではありません。
複数の人が、同じ仕事でそれぞれ成果を出している場面でも、「そこで発揮されている資質が全く違う」ということは、よくありますからね。
だからといって、「慎重さに適職なんてものはない!」と断言してしまうのも、どうかと思いますので、就職や転職など、「仕事探し」の際に持っておきたい視点をご紹介します。
正確性が求められる仕事(会計・品質管理など)
「慎重さ」の人は、ミスを防ぐことに長けています。
どんな場面でも、「本当にこれで大丈夫か?」と確認する習慣があるため、正確性が求められる仕事では、その才能が存分に活かされるでしょう。
例えば、次のような仕事です。
・会計や経理業務(数字の誤りを防ぎ、正確な処理を行う)
・品質管理や監査(製品や業務の基準を細かくチェックし、問題点を未然に防ぐ)
こうした仕事では、「ミスを見逃さない」「確実な判断をする」ことが求められます。
「慎重さ」の人は、細かな確認を怠らず、危険を回避しながら進めることが得意。
その力を発揮すれば、高い精度での成果が期待される場面でも、安定したパフォーマンスを発揮できるでしょう。
一方で、「スピード重視」「とにかく手を動かす」といった環境では、落ち着かず、居心地の悪さを感じることもあるかもしれません。
何かと急かされるのは、誰でも落ち着かないもの。
「慎重さ」の人は、それが特にストレスに感じやすい傾向があります。
丁寧に進めながら、確実な結果を求められる仕事。
そうした環境でこそ、本来の力を存分に発揮できるでしょう。
堅実さが評価される職場
「慎重さ」の人は、行動に移る前の「準備」をとても大切にします。
すぐに動くよりも、「何が起こりうるか?」「どこにリスクが潜んでいるか?」を丁寧に見極めてから一歩を踏み出す。
こうした姿勢が、結果的にトラブルを防ぎ、安定した成果へとつながるでしょう。
特にこの特性が活きるのは、「事前準備の質が成果を左右する仕事」です。
例えば、次のような職種。
・イベントの企画・運営(スケジュールや進行の段取り、想定外への備えなど、事前準備の質が問われる)
・プロジェクトマネジメント(関係者との調整や進行上のリスク管理が欠かせない)
「慎重さ」の人は、小さな懸念点も見逃さず、早めに手を打つことができます。
だからこそ、段取りの段階からチームや関係者を支える存在となり、安心感を与えられるでしょう。
事前の準備にしっかり力を注ぎ、ミスや混乱を未然に防ぐ。
そうした姿勢が、周囲からの確かな信頼へとつながっていくはずです。

慎重さの人はここに気をつけよう!
ここまで、「慎重さ」の魅力、そして、その資質の活かし方などをお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®の上位資質は、二面性があります。
「意思が強い」と「頑固」みたいなものでしょうか。
これって、表裏一体なんですよね。
ここでは、「慎重さ」が魅力的な資質だからこそ、「気をつけないと、もったいない!」という点を、2つお伝えします。
準備に時間をかけすぎてしまう
「念のため、もう一度確認しておこう」
「想定外の事態が起きたら、どう対処すればいいか考えておきたい」
そんなふうに、行動に移す前にしっかりと準備を整えるのが「慎重さ」の人です。
この特性は、ミスやトラブルを未然に防ぐという面で、大きな強みになるでしょう。
ただ、その「準備」に時間をかけすぎてしまうこともあるかもしれません。
「まだ準備が不十分かもしれない」
「もう少し確認してから動いたほうが安心だ」
こうした思いが続くと、最初の一歩がなかなか踏み出せなくなることも。
本人は「より良く進めるため」に行っているつもりでも、周囲からは「動きが遅い」と受け取られることがあるでしょう。
特に、スピードが求められる場面では注意が必要です。
準備にこだわるあまり、チーム全体の進行に影響を与えてしまうこともありますからね。
完璧でなくても、動きながら修正していける場面もある。
「慎重さ」の人は、準備の際に少し肩の力を抜いてみるくらいで、ちょうどいいのかもしれません。
チャンスを逃してしまう
「これで本当にいいのか?」
「他にもっといい選択があるかもしれない」
「慎重さ」の人は、決断の前にじっくり時間をかけて考える傾向があります。
その分、ミスや後悔が少ないのは、大きな強みといえるでしょう。
ただ、考えすぎてしまうと、チャンスを逃してしまうこともあります。
例えば、気になる商品を見つけたとき。
レビューを調べて、他のサイトもチェックして……
ようやく買おうとした頃には「売り切れ」。
「慎重さ」の人には、そんな経験があるかもしれません。
これは日常の小さな例ですが、仕事や人間関係でも、似たようなことが起こり得ます。
「もう少し考えてからにしよう」
「まだタイミングじゃないかも」
そうしているうちに、せっかくの機会が過ぎてしまうことがあります。
もちろん、よく考えてから動くのは「慎重さ」の持ち味です。
でも、どれだけ考えても、明確な答えが出ない場面もあるはず。
そんなときは、「今の時点でのベスト」を信じて、まず一歩踏み出してみる。
その小さな決断が、あとから「動いてよかった」と思える結果につながることもあるでしょう。

もっと慎重さを活かしていくために
ここまで、「慎重さ」についてお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®は、もっと奥が深いですからね。
上位資質は、深く知れば知るほど、人生(キャリア)を豊かにする自分だけの道具になっていきます。
ここからは、そのヒントを2つご紹介します。
慎重さ×〇〇の組み合わせ
資質は、単独でも特徴はありますが、実際に私たちの中で「強み」として発揮されるとき、決まって「慎重さ×〇〇」のように、2つ以上の資質がかけ合わさった形で現れます。
これこそが、ストレングスファインダー®の奥深さであり、私たち一人ひとりの個性です。
上位トップ5の資質が、他の人と全く同じになる確率は、3,300万分の1。
そして、「資質×資質」の組み合わせパターンは、561通り。
上位に同じ「慎重さ」を持っていたとしても、それ以外にどんな資質を上位に持っているかによって、その人の「慎重さ」が解き放つ魅力は、他の人とは全く異なります。
ここでは、参考までに、「慎重さ×〇〇」の例を2つご紹介します。
慎重さ×最上志向
「もっともっと」と何事にも妥協せず、準備にも徹底的に時間をかけることで、最高の状態を作り上げようとする人。
クオリティにこだわり、常に最適な選択を心がけることで、納得のいく成果を出していく。
慎重さ×責任感
任された仕事を期日までに確実にやり遂げ、依頼者の信頼に結果で応えようとする人。
引き受けた時点で想定されるリスクを見極め、必要な準備と対策を講じることで、着実に成果へと結びつけていく。
ストレングスコーチを使ってみよう
「慎重さ×〇〇」の例、いかがでしたか?
この組み合わせは、まだ残り31通りありますからね。
ストレングスファインダー®の書籍を買って、アセスメントを行い、該当するページを読む。
確かにそれも大事ですが、私の感覚では、その段階でのストレングスファインダー®の理解度は、3割程度。
理解度が3割ということは、今後の活用度も3割ですからね。
これでは、せっかく本を買ったのにもったいない。
最新の調理家電を買ったのに、「あたため」しか使わないようなものです。
ストレングスファインダー®は、自分の中に備わっている「人生を豊かにする道具」の存在を自覚するもの。
そして、その道具を、みなさんと一緒に明らかにするサポート・ガイド役となるのが、ストレングスコーチです(私もその一人ですけどね)。
一度きりの人生。もっと自分らしく。もっとラクに。
そう思う人は、一度ストレングスコーチとの「個人セッション」を受けてみてください。
(ちなみに、私のコーチ資格取得は、この「個人セッション」体験での感動がきっかけでした)
※このサイトでも、いずれ「個人セッション」の受付を行います。
以上、「慎重さ」について、ご紹介をしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ぜひ、ご自分が上位に持つ他の資質についても、当サイトでご確認ください。
Use your strengths to be yourself.
~強みを活かして、あなたらしい人生を~
実行力 | 影響力 | 人間関係 構築力 |
戦略的 思考力 |
---|---|---|---|
達成欲 | 活発性 | 適応性 | 分析思考 |
アレンジ | 指令性 | 運命思考 | 原点思考 |
信念 | コミュニケーション | 成長促進 | 未来志向 |
公平性 | 競争性 | 共感性 | 着想 |
慎重さ | 最上志向 | 調和性 | 収集心 |
規律性 | 自己確信 | 包含 | 内省 |
目標志向 | 自我 | 個別化 | 学習欲 |
責任感 | 社交性 | ポジティブ | 戦略性 |
回復志向 | 親密性 |