ストレングスファインダー®の「公平性」ほど、英語名から意味を説明しやすい資質はありません。
Consistency
これが、英語名。
「さっぱりわからないじゃないか!」
と突っ込みが入りそうですが、確かに、私たちにはあまり馴染みのない単語です。
これは、「一貫性」という意味。
「〇〇は、一貫性がないから気持ち悪い」
「〇〇の一貫性をどう保とうか」
「公平性」は、この感覚をとても大切にする資質です。
まだ、「う~ん…」という人もいるかもしれませんね。その気持ちは、確かにわかります。
今回は、そんなみなさんが「なるほど!」「確かに!」となるように。
そして、その「公平性」の活かし方がわかるように、丁寧に解説していきます。
では、いってみましょう!
公平性は「バランスを保つ」才能
「公平性」は、不平等感を嫌う資質です。
グループや職場の中で、一部の人が理由なく特別扱いされていると、ザワザワするかもしれません。
(自分が特別扱いされるのも嫌いでしょうね、きっと)
「だって、それはバランスが悪いじゃない」
きっと、こんな感覚になっているはずです。
公平性の公式解説動画
まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。
Gallupの公式動画です。
※ 視聴が困難な場合は、そのまま下の解説に進んでも、問題ありません。
警察官の男性。
話しぶりからも、「誠実さ」が出ていますよね。
(あとは、ちょっと「融通か利かなそう」な感じも(笑))
「人は、人脈や財産で、特別扱いされるべきではない」
「もめごとがあった際には、中立のスタンスをとる」
姿勢に、全くブレがありませんね。
逆に「公平性」は、次のような人たちを認めません。
周囲の人には「見え見え」の、えこひいきをする人。
言っていることと、やっていることが違う人。
グループの中で、日和見主義な立場をとる人。
「人としてどうなの!?」くらいに思うかもしれませんね。
このズドーンと、一本太い筋が通った価値観(一貫性)こそが「公平性」です。
公平性は、平等さを保つ管理人
「人は、ルールのもとに、平等であるべき」
「ルールは、人々の平等さを守るために存在する」
これが、「公平性」が大切にしている思いです。
チームや組織の中で、一部の人に負担が偏っている。
一部の人が、ラクをする(得をする)状況になっている。
そんな状況を、「公平性」は、よしとしません。
だって、「不平等 = 一貫性がない」ですからね。
そんな状況に気づくと、それを正すべく、自ら行動を起こす。
「公平性」は、ある意味、正義感の人ともいえるでしょう。
また、「公平性」は、一部の人の利益よりも、全体の利益を優先する資質でもあります。
「〇〇さんは、事務仕事が苦手。じゃあ、〇〇さんはその仕事を免除してあげよう。」
「公平性」のリーダーは、基本的に、このような判断はしないでしょう。
また、「公平性」を持つ人は、同様の特別待遇を認めるリーダーに、不信感を持つかもしれません。
(逆に、「個別化」を上位に持つ人は、全然気にならないかも)
「みんなでやると決めたことは、みんなでやる」
このこだわり。
頑固なまでの一貫性。
まさに、「平等さを保つ管理人」ですね。
公平性の活かし方
チームの不平等感に気づくと、それを放っておくことなく、正そうとする「公平性」。
そして、メンバー全員が従うルールやマニュアルを大切にする「公平性」。
では、この資質は、仕事やプライベートで、どう活かすことができるのでしょうか?
チーム内の「いびつさ」を取り除こう
所属するチーム・職場に長くいるベテランが、特に明確な理由もなく優遇されている。
同じ仕事をする仲間なのに、「若手だから」という理由で、一部の社員だけが雑用を行っている。
そのような状況でも、「昔から、そうだったから」と、それを何とも思わない人もいるかもしれません。
しかし、「公平性」は違います。
「それ、おかしくないですか?」
これが、「公平性」のスタンス。
明確な理由がなく、まかり通っている慣習は、「公平性」には「いびつ」に映ります。
「理由なく人によって扱いが違う = 一貫性がない」ですからね。
「それ、みんなでやりましょうよ、同じ仲間なんですから」
「それ、交代でやりましょうよ、みんなそれぞれ仕事があるんですから」
不満を抱えつつも、それを言い出せずにいた人は、「正義のヒーローがやってきた!」と思うかもしれませんね。
(「調和性」や「共感性」を上位に持つ人は、特にそう思うかも)
あと、「好き嫌い人事(評価)」も、「公平性」は大嫌い。
これは、評価に差がつくことを嫌っているわけではないんです。
その差に、明確な理由がないのが気持ち悪い。
同じ仕事をすれば(成果を出せば)、同じ評価があって当たり前(これも一貫性)。
そこに、理由なく差がつくのは理不尽。
この、「すべてに人は、ルール(規則・法)のもとに平等であるべき」という感覚。
これが、「公平性」です。
ちなみに、「公平性」は、自分が特別扱いされるのも、好きではありません。
もしそんな場面があったら、「やめてください」「みんなと同じように扱ってください」と自ら進言するでしょう。
チーム・組織の「いびつな」慣習や、基準のあいまいな人の扱い。
「公平性」は、そのような状況を、「おかしいでしょ?」と正していく存在です。
マニュアルや業務フローを整えよう
「平等感」を大事にする「公平性」にとって、チーム内で「個人が、それぞれ好き勝手にやっている」という状態は、モヤモヤするでしょう。
例えば、仕事での事務作業。
確かに、「事務が苦手」「好きではない」という人も、組織にはいるでしょうけどね。
でも、「全員でやる」と決めたことについて、「公平性」は、基本的に例外をつくりません。
「それぞれ思いはあると思いますが、みんなでやりましょう」
このスタンスです。
さらに「公平性」は、これだけでは満足しません。
「みんなでやる」が実現したとしても、それぞれのやり方がバラバラで、成果物の仕上がりにバラつきがあったとしたら…。
これも、気持ちが悪い。
正したい、揃えたい。
一貫性(均質さ)を保ちたい。
このこだわりこそが、「公平性」が「マニュアルづくりの才能」と呼ばれる所以です。
誰が行っても、同じような成果につながる仕組みづくり。
誰が行っても、途中で迷うことがないマニュアルづくり。
「公平性」は、この才能を発揮することで、チームや組織の仕事の「均質化」に貢献していきます。
誰からも「信用される人」になろう
「平等感」を大事にする「公平性」は、誰に対しても、同じような距離感、態度で接しようとします。
先ほどの動画に登場した警察官の男性は、「たとえ犯罪者であっても、自分で審判を下すことはしない。人として敬意をもって接する。」と話していました。
ここまでくると、「公平性」の完全体ですね(笑)
この域には到達しないにしても、「公平性」の人は、「チームや職場のメンバーへの態度は、相手によって差をつけるべきではない」という感覚を持っているのではないでしょうか。
先輩であろうが、後輩であろうが。
上司であろうが、新入社員であろうが。
人が人であることに、変わりはない。
これが、根っこにある価値観。
だからこそ、これとは逆ともいえる以下の態度は、絶対にとらないはずです。
上司には、媚びる。ペコペコする。
年下の同僚を、上から目線で横柄に扱う。
自分がやらないだけでなく、そんな態度をとる人を、軽蔑するでしょうね。
この姿勢が、周囲の人の信用につながります。
また、組織で何かを決める際には、立場や社歴に関係なく、そこに所属する全員の意見を求める、ということもするでしょう。
これも、やはり「平等性」を大切にする感覚。
社歴の浅い人は、「こんな自分の意見も必要としてくれた!」と感激するかもしれません。
しかも、こういう嬉しい記憶って、ずーっと残るんですよね。
「〇〇さんは、人によって態度を変えない(一貫性のある)誠実な人」
「〇〇さんは、メンバー全員と分け隔てなく接してくれる人」
多くの人たちが、「公平性」の人を、このように評価することでしょう。
まさに、周囲への誠実な態度で、「信用」を得ていく才能ですね。
公平性の人にあった仕事
まず、大前提として、ストレングスファインダー®は、適職診断ツールではありません。
複数の人が、同じ仕事でそれぞれ成果を出している場面でも、「そこで発揮されている資質が全く違う」ということは、よくありますからね。
だからといって、「公平性に適職なんてものはない!」と断言してしまうのも、どうかと思いますので、就職や転職など、「仕事探し」の際に持っておきたい視点をご紹介します。
個人主義ではない環境
「平等さ」「均質さ」を大切にする「公平性」。
一人ひとりの個性を大切にする考えがないわけではありません。
でも、「なんでもかんでも個人主義」の職場は、気持ちが悪くなるでしょう。
営業成績のために、一人ひとりが好き勝手にやっている。
組織・チームのための仕事を、やる人と、やらない人がいる。
先輩に教えを乞うた場面でも、「人それぞれだから」で片づけられてしまう。
まさに、「個人商店」の集まりのような組織。
そんな職場では、「なにかおかしい」「なにかが違う」と感じるはずです。
それよりも、組織・チームの仕事は、全員が同じ負担感で行う。
個人の仕事も、ノウハウが組織の中で蓄積されており、一定の水準でクオリティが均質化されている。
このような職場のほうが、居心地がいいと感じるはずです。
就職・転職活動をする際は、このあたりを、事前確認のポイントとしてみてください。
ルールやマニュアルに沿って行う仕事
平等さを維持するための「ルール(一貫性)」を大切にする「公平性」。
マニュアル等が、しっかりと整備された職場。
そのマニュアルに沿って仕事をすれば、確実な成果が約束された仕事。
そういう場では、ストレスを感じることなく、高いパフォーマンスを発揮することでしょう。
でも、せっかくの才能ですから、ここはあえて、その上を目指してはどうでしょうか。
例えば、次のような内容です。
「形骸化したマニュアルを、新たに作り直す」
「未整備のマニュアルを、ゼロから作り上げる」
いかがでしょう。
こちらの方が、「公平性」の真の才能発揮という感じがしませんか?
最初は、「え、自分が?」となるかもしれません。
でも、「一貫性」のこだわりをベースにした仕事の均質化は、「公平性」の貢献ポイントです。
自分の資質にとって心地がいい環境も、もちろんいいですが、自分の資質を「最大限に活かせる環境」という視点も、ぜひ持ってみてください。
就職・転職活動の際には、創業からまだ間もない企業も、選択肢に入れていいと思いますよ。
(併せて「学習欲」も上位に持つ人には、特におススメです)
公平性の人は、ここに気をつけて!
ここまで、「公平性」の魅力、そして、その資質の活かし方などをお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®の上位資質は、二面性があります。
「意思が強い」と「頑固」みたいなものでしょうか。
これって、表裏一体なんですよね。
ここでは、「公平性」が魅力的な資質だからこそ、「気をつけないと、もったいない!」という点を、2つお伝えします。
融通が利かない人に見られがち
「平等性」を大切にする「公平性」は、ルールを徹底したいという気持ちが、強くなりがちです。
「状況も変わってきたので、そろそろルールを見直しませんか?」
「このマニュアルは古くなっきたので、この機会に、やり方も含めて新しいものに変えませんか?」
もし、周囲からそのような提案があった場合に、抵抗したい感情が生まれるかもしれません。
「今のルールやマニュアルで、別に困っていなんだから、そのままでいいじゃない」
周囲の提案に対し、こんな発言をするかもしれませんね。
これは、「公平性」を上位に持たない人から見ると、「頭が固い」「融通が利かない」という印象につながりかねません。
(「アレンジ」や「活発性」の人は、特にそう思うかも)
抵抗したくなる気持ちはわかります。
「このやり方をすれば、誰が行っても、基本的に同じ結果(成果)になる」
そのやり方を定めるルールやマニュアルは、「一貫性」を大事にする「公平性」の安心材料。
それを変えるということは、この「一貫性」が揺らぐということになりますからね。
この「抵抗したい」感情が生まれたときには、ぜひ、今の状況を俯瞰する目線を、意識してみてください。
「今、チーム・組織に、一番求められていることは何か?」
「チーム・組織の理想の姿から逆算して考えたときに、今のベストな判断は何か?」
こんな問いを自分に向けることできたら、自分の「こだわり」をちょっと抑えた、ベストな判断をすることができるはずです。
個人の特性を活かせなくなってしまう
「平等性」を大切にする「公平性」は、個人を特別扱いすることを、よしとしません。
例えば、「公平性」の人がチームや職場のリーダーで、メンバーから以下のような提案・相談を受けたとします。
「〇〇さんは、事務よりも、接客のほうが個性を活かせると思います。接客を中心にやらせてあげてはどうでしょうか?」
「私は、接客のようなフロント業務よりも裏方のほうが性に合っています。そちらのウエイトを高くしてください。」
いかがでしょうか。
これらの提案や相談も、先ほどのルール変更と同様に、抵抗したい感情が生まれるかもしれませんね。
「その人だけ(あなただけ)、特別扱いはできないよ」
「みんな同じ条件で働いているんだから」
根っこにあるのは、やはり、この「一貫性」へのこだわりです。
こんな時こそ、その「こだわり」を少し抑えて、冷静に、客観的に状況を見つめましょう。
ここでのポイントは、「ほかの人たちはどう思ってるのか」という他者目線。
所属するメンバー全員に、意見を聞いてみてもいいと思いますよ。
(「公平性」は、聞くとなったら、全員からちゃんと聞けるはず。「一貫性」ですからね(笑))
「あ、誰もそれを特別扱いって思わないんだ」
いざ聞いてみると、そんな発見とともに、自分の「思い込み」の強さに気づくかもしれません。
もっと公平性を活かしていくために
ここまで、「公平性」についてお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®は、もっと奥が深いですからね。
上位資質は、深く知れば知るほど、人生(キャリア)を豊かにする自分だけの道具になっていきます。
ここからは、そのヒントを2つご紹介します。
公平性×〇〇の組み合わせ
資質は、単独でも特徴はありますが、実際に私たちの中で「強み」として発揮されるとき、決まって「公平性×〇〇」のように、2つ以上の資質がかけ合わさった形で現れます。
これこそが、ストレングスファインダー®の奥深さであり、私たち一人ひとりの個性です。
上位トップ5の資質が、他の人と全く同じになる確率は、3,300万分の1。
そして、「資質×資質」の組み合わせパターンは、561通り。
上位に同じ「公平性」を持っていたとしても、それ以外にどんな資質を上位に持っているかによって、その人の「公平性」が解き放つ魅力は、他の人とは全く異なります。
ここでは、参考までに、「公平性×〇〇」の例を2つご紹介します。
公平性×最上志向
既存のマニュアルや業務フローを大切にする意識は持ちつつも、現状に満足することなく、「もっとよくできないか」と考える。
その妥協しないクオリティへのこだわりを活かして、誰が行っても、等しく高いレベルで成果を出せるようなマニュアル等を作り上げていく。
公平性×調和性
チームで何を決める際には、一部のメンバーで物事を決定することをよしとせず、関係する全員から、等しく意見を集めようとする。
そして、その全員が納得・共感できそうなところに方向性を定め、うまく合意を取りながら、チームを前に推し進めていく。
ストレングスコーチを使ってみよう
「公平性×〇〇」の例、いかがでしたか?
この組み合わせは、まだ残り31通りありますからね。
ストレングスファインダー®の書籍を買って、アセスメントを行い、該当するページを読む。
確かにそれも大事ですが、私の感覚では、その段階でのストレングスファインダー®の理解度は、3割程度。
理解度が3割ということは、今後の活用度も3割ですからね。
これでは、せっかく本を買ったのにもったいない。
最新の調理家電を買ったのに、「あたため」しか使わないようなものです。
ストレングスファインダー®は、自分の中に備わっている「人生を豊かにする道具」の存在を自覚するもの。
そして、その道具を、みなさんと一緒に明らかにするサポート・ガイド役となるのが、ストレングスコーチです(私もその一人ですけどね)。
一度きりの人生。もっと自分らしく。もっとラクに。
そう思う人は、一度ストレングスコーチとの「個人セッション」を受けてみてください。
(ちなみに、私のコーチ資格取得は、この「個人セッション」体験での感動がきっかけでした)
※このサイトでも、いずれ「個人セッション」の受付を行います。
以上、「公平性」について、ご紹介をしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ぜひ、ご自分が上位に持つ他の資質についても、当サイトでご確認ください。
Use your strengths to be yourself.
~強みを活かして、あなたらしい人生を~