「その道のプロフェッショナルや、職人の技に惹かれる」
「自分の好きなこと、得意なことにエネルギーを使いたい」
「最上志向」の人は、この感覚にピンとくるかもしれません。
「最上志向」は、仕事や趣味など、自分がこだわる分野でクオリティをとことん追求する才能です。
「もっとよくしたい」
「この程度では終われない」
そんなふうに、理想の完成形に向かって手を止めないのが、「最上志向」の人の特徴といえるでしょう。
ここでは、「最上志向」の特徴や活かし方、さらには注意点について、わかりやすく解説していきます。
最上志向は「今に満足しない」才能
「最上志向」は、常に「その先、その上」を目指し続ける才能です。
自分より、上手にできている人がいる。
まだ、身につける知識・スキルがある。
このように、今いる場所よりも「上にいく階段」が見えた際には、そこを目指そうとし続けます。
キーワードは、「もっと」。
「最上志向」は、理想が高く「完璧」を追い求めます。
「向上心のかたまり」のような人たち、ともいえますね。
しかし、仕事でもプライベートでも「完璧」に何かを成し遂げることは、そうそうできるものではありません。
そう考えると「最上志向」は、「もっともっと…」と常に満たされない「欲求不満状態」の人たちかもしれませんね(笑)
そして、この「最上志向」とよく対比されるのが「回復志向」です。
「回復志向」は、問題を見つけて解決し、物事を本来あるべき状態へ戻そうとする才能。
一方、「最上志向」は、すでに良いものをさらに高いレベルへと磨き上げていく才能。
どちらも上位に持つ人は、「まず問題点を解決して安定させ、そのあとさらなる高みを目指す」タイプかもしれませんね。
逆に「最上志向」だけが上位の人は、「今ある良さをもっと輝かせたい」と、常に理想を追求するタイプといえそうです。
最上志向の公式解説動画
まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。
Gallupの公式動画です。
※ 視聴が困難な場合は、そのまま下の解説に進んでも、問題ありません。
グラフィックデザイナーをしている女性です。
自分の時間を最大限に活用する。
ベストな人材を模範にして自らを成長させる。
自分のスキルと才能を使って成果を出すことが大好き。
このようなことが語られていました。
「最大限に」「ベストな」など、使っているワードも「最上志向」そのもの(笑)
冒頭「クオリティを追求する」と書きましたが、「最上志向」にはもうひとつ重要なキーワードがあります。
「リターンを最大化させる」
この女性も、「自分の時間を最大限に活用している」と話していました。
これは、自分が使った時間(投資)から得られる価値(リターン)を最大化させるということ。
コストパフォーマンス(コスパ)
タイムパフォーマンス(タイパ)
「最上志向」は、このふたつにもこだわります。
言い換えると、「無駄なこと」がとても嫌い。
「最上志向」は、苦手・弱点の克服にエネルギーを向けません。
学生時代に「苦手科目にやる気がおきなかった」という人も多いのではないでしょうか。
実は、この感覚も「コスパ、タイパ重視」の思考から来ています。
「苦手科目の克服は、時間の無駄(タイパが悪い)」
「得意科目の強化こそが、有効な時間の使い方(タイパがいい)」
時間を最大限有効に使って「好き」「得意」を極めていく。
それが、「最上志向」の才能といえますね。
最上志向は、クオリティにこだわる人
「最上志向」は、卓越性に惹かれる才能といわれます。
好きなテレビ番組が「情熱大陸(TBS系)」や「プロフェッショナル 仕事の流儀(NHK)」という人も多いようですね。
共通しているのは、「その道を追求している人」が登場しているということ。
そこに、最上志向の「もっと欲求」が反応します。
そして、「もっと自分も頑張ろう!」とエネルギーを受け取ります。
このエネルギーが向かう先は「量」ではなく「質」。
「たくさん働こう(たくさん作ろう)」ではなく、「質(クオリティ)を上げよう」。
周りの人に「(クオリティは)それくらいで十分では?」と言われても、「いや、もっと良くできる」と、妥協することなく質を高めようとする。
仕事や趣味で、そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。
そして、もうひとつ。
「最上志向」の人は、自分のスキルアップにも手を抜きません。
自分が満足できるアウトプットの基準が高いですからね。
それを実現するために、自分の知識・スキルも高めようとし続けます。
「最上志向」は、卓越性を追求するために、自己成長をし続ける才能といえるでしょう。

最上志向の活かし方
現状維持をよしとせず、常にその上のレベルを目指し続ける「最上志向」。
では、この資質は、仕事やプライベートで、どう活かすことができるのでしょうか?
自分の「得意」「好き」を磨き上げる
「最上志向」といえば、やはり自身のスキルアップです。
誰かと自分を比較して、「負けたくない」と努力をする「競争性」。
それに対して、誰かに言われなくても、自らエネルギーを生み出して努力できるのが「最上志向」ですからね。
でも、このスキルアップは、何でもいいわけではありません。
大事なのは、自分の「得意」「好き」に集中すること。
これができたときに、「最上志向」のエネルギーは最大化するでしょう。
一方で「苦手の克服」は、明らかにパワーダウンにつながります。
「それをしている時間は、大変だと思わない」
「それをしていると、時間を忘れて夢中になれる」
大事なのは、この感覚です。
これは、仕事でも趣味でも構いません。
その時間を充実させるためにスキルを磨く。
その結果、その分野での卓越性が高まり、仕事でも趣味でも充実感が増していく。
これこそが、「最上志向」のもっとも効果的な活かし方です。
仲間のいいところを引き出す
自分の「得意」「好き」に敏感な「最上志向」。
このアンテナを外に向けると、周りの人の「魅力」や「才能」にもいち早く気づくことができます。
(「個別化」も上位に持つ人は、特にその力が強いはず)
「●●の仕事をしている〇〇さんって、輝いているよね」
「〇〇さんの●●の才能って、本当にすごいと思う」
こんな言葉をかけられて、イヤな思いをする人はいません。
(「慎重さ」の人は、ちょっと言葉の裏を気にするかもしれませんが・・・笑)
その中には、「最上志向」の人に言われて、初めて自分の「魅力」や「才能」に気づく人もいるでしょう。
周りの人の自信とモチベーションを高める。
その結果として、チームの生産性を高めていく。
このように「最上志向」は、周囲の人の「魅力」「才能」を引き出し、チーム全体の力を高めることもできます。

最上志向の人にあった仕事・職場
まず、大前提として、ストレングスファインダー®は、適職診断ツールではありません。
複数の人が、同じ仕事でそれぞれ成果を出している場面でも、「そこで発揮されている資質が全く違う」ということは、よくありますからね。
だからといって、「最上志向に適職なんてものはない!」と断言してしまうのも、どうかと思いますので、就職や転職など、「仕事探し」の際に持っておきたい視点をご紹介します。
専門分野を突き詰めることができる職場
自分の「得意」「好き」に敏感な「最上志向」ですから、一日の大半を使う仕事においても、この感覚は大事にしたいところです。
「自分の得意分野はなにか」
「自分が没頭できる仕事はなにか」
そこを見極め、その分野の専門知識・スキルを高め続けていく。
その結果、「組織に貢献できている」と実感できた時、仕事の充実感がより一層高まるはずです。
事務職、営業職、研究職、クリエイティブ職
その道は何でも構いません。
どの道にも、突き詰める専門領域があるはずですからね。
そこの知識・スキルを高めるために、自分の時間とエネルギーを集中投下。
その結果、職場や顧客から感謝され、常に必要とされる存在になっていく。
れは、「最上志向」の人たちが、心から理想とする働き方かもしれませんね。
自分を成長させられる環境
現状維持に満足することがない「もっともっと」の「最上志向」。
この欲求を満たすためには、その職場が成長できる環境であることも重要です。
その際のポイントは、「憧れの存在」や「メンター」を見つけられること。
それらの存在が、成長のベンチマークになりますからね。
「上には上がいる」
「目指すべき場所がある」
この感覚は、「最上志向」の成長エンジンに火をつけてくれるでしょう。
逆に、そうした刺激が感じられない環境では、少し物足りなくなってしまうかもしれませんね。
もし今の職場で、「つまらなさ」「物足りなさ」を感じているとしたら。
視野を自分の部署から、会社全体に広げてください。
そこには、「この人みたいになりたい!」と思える存在がいるかもしれませんからね。
もし、そんな存在が社内に見つからなかったとしたら。
そんな時は、新しい環境に身を置く(転職)のも、ひとつの選択肢かもしれません。
「最上志向」は、それくらいエネルギー溢れる才能ですから。

最上志向の人はここに気をつけよう!
ここまで、「最上志向」の魅力、そして、その資質の活かし方などをお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®の上位資質は、二面性があります。
「意思が強い」と「頑固」みたいなものでしょうか。
これって、表裏一体なんですよね。
ここでは、「最上志向」が魅力的な資質だからこそ、「気をつけないと、もったいない!」という点を、2つお伝えします。
アウトプットが遅くなってしまう
仕事のクオリティに妥協をしない「最上志向」。
それ自体は素晴らしいことなのですが、その「こだわり」が暴走すると、単なる「気にしすぎ」になってしまう可能性があります。
全体の成果にはそれほど影響しないような、小さなことが気になってしまう。
結果として、アウトプットが期限ギリギリになってしまう。
心当たりのある人も、多いのではないでしょうか。
趣味の世界など、その影響が「自分だけ」であれば構いません。
でも、その「こだわり」からくる「遅さ」が、組織やチームに迷惑をかけるようでは問題です。
また、作業に取り掛かる前から「完璧」を求めすぎてしまい、なかなか動き出せない。
「最上志向」には、このような人も多いようです。
これは、本当にもったいない。
動き出しの遅さが、機会損失になることがありますからね。
そんな時に、思い出してほしいのがこの言葉です。
「量質転化」
(量を積み重ねることで、質的な変化が起きる)
「最上志向」は常に100点を目指すところがありますが、そのこだわりを一旦捨てて、60点や80点でもいいから、まずやってみる。
時には、この姿勢も大切です。
それが、「最上志向」の人が求める「成長への近道」であることも多いですからね。
人を能力で判断してしまう
「卓越性」に惹かれる「最上志向」は、人のことを「できる」「できない」とポテンシャルで判断してしまうところがあります。
この判断を自分の中に留めておくだけなら、まだいいですけどね。
この感覚が暴走してしまうと、次のような行動に出てしまうことも…。
指導やフィードバックの言葉が、きつくなってしまう。
できない人を、チームから排除しようとしてしまう。
「最上志向」は「無駄を嫌う」才能ですから、同じ説明(指導)を二度三度と繰り返すと、どんどんストレスが溜まります。
結果として、「何度言ったらわかるの!」と強い言葉になって出てしまうこともあるでしょう。
また、仕事のクオリティに妥協しない才能ですから、そこに悪影響を与えそうな「スキルが一定レベルにない人」の存在が気になります。
そして、それが「排除」という姿勢になって出てしまうかもしれません。
これらは完全に、「最上志向」の暴走モード。
せっかくの才能も、他者を傷つけるようでは問題です。
心当たりのある人は、一度立ち止まって振り返ってみてください。

もっと最上志向を活かしていくために
ここまで、「最上志向」についてお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®は、もっと奥が深いですからね。
上位資質は、深く知れば知るほど、人生(キャリア)を豊かにする自分だけの道具になっていきます。
ここからは、そのヒントを2つご紹介します
最上志向×〇〇の組み合わせ
資質は、単独でも特徴はありますが、実際に私たちの中で「強み」として発揮されるとき、決まって「最上志向×〇〇」のように、2つ以上の資質がかけ合わさった形で現れます。
これこそが、ストレングスファインダー®の奥深さであり、私たち一人ひとりの個性です。
上位トップ5の資質が、他の人と全く同じになる確率は、3,300万分の1。
そして、「資質×資質」の組み合わせパターンは、561通り。
上位に同じ「最上志向」を持っていたとしても、それ以外にどんな資質を上位に持っているかによって、その人の「最上志向」が解き放つ魅力は、他の人とは全く異なります。
ここでは、参考までに、「最上志向×〇〇」の例を2つご紹介します。
最上志向×責任感
自分が人から任された役割に対して、強いこだわりを持って取り組むことができる人。
とことんまで仕事のクオリティにこだわり、かつ、決められた期日をしっかりと守ることで、「この人に任せておけば間違いない」と、周囲の人から信頼を集めていく。
最上志向×アレンジ
仕事や家事などが非効率であることを嫌い、「どうすれば早く終わるか」を常に試行錯誤していく人。
いくつものタスクを並行して行ったり、作業を自分よりも得意な人に任せたりすることで、作業の効率を上げ、新たに使える時間を生みだしていく。
ストレングスコーチを使ってみよう
「最上志向×〇〇」の例、いかがでしたか?
この組み合わせは、まだ残り31通りありますからね。
ストレングスファインダー®の書籍を買って、アセスメントを行い、該当するページを読む。
確かにそれも大事ですが、私の感覚では、その段階でのストレングスファインダー®の理解度は、3割程度。
理解度が3割ということは、今後の活用度も3割ですからね。
これでは、せっかく本を買ったのにもったいない。
最新の調理家電を買ったのに、「あたため」しか使わないようなものです。
ストレングスファインダー®は、自分の中に備わっている「人生を豊かにする道具」の存在を自覚するもの。
そして、その道具を、みなさんと一緒に明らかにするサポート・ガイド役となるのが、ストレングスコーチです(私もその一人ですけどね)。
一度きりの人生。もっと自分らしく。もっとラクに。
そう思う人は、一度ストレングスコーチとの「個人セッション」を受けてみてください。
(ちなみに、私のコーチ資格取得は、この「個人セッション」体験での感動がきっかけでした)
※このサイトでも、いずれ「個人セッション」の受付を行います。
以上、「最上志向」について、ご紹介をしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ぜひ、ご自分が上位に持つ他の資質についても、当サイトでご確認ください。
Use your strengths to be yourself.
~強みを活かして、あなたらしい人生を~
実行力 | 影響力 | 人間関係 構築力 |
戦略的 思考力 |
---|---|---|---|
達成欲 | 活発性 | 適応性 | 分析思考 |
アレンジ | 指令性 | 運命思考 | 原点思考 |
信念 | コミュニケーション | 成長促進 | 未来志向 |
公平性 | 競争性 | 共感性 | 着想 |
慎重さ | 最上志向 | 調和性 | 収集心 |
規律性 | 自己確信 | 包含 | 内省 |
目標志向 | 自我 | 個別化 | 学習欲 |
責任感 | 社交性 | ポジティブ | 戦略性 |
回復志向 | 親密性 |
『ストレングスファインダー』は長年親しまれてきた名称ですが、現在は開発者の名を冠した『クリフトンストレングス®︎』が正式名称として使われています(提供元は変わらずGallup社)。
診断内容や考え方は同じものです。
この記事では、広く知られている『ストレングスファインダー』という言葉を用いますが、現在の正式名称は『クリフトンストレングス®︎』である点をご理解いただけますと幸いです。