ストレングスファインダー®の「戦略性」は、この資質を持たない人からは「いいなぁ」と羨ましがられるにもかかわらず、自分では「無自覚」な人が多い印象です。
他の資質と違い、後天的に身につかない「特別な資質」と言われてるんですけどね。
それくらい、本人にとっては「当たり前」の感覚(視点)ということでしょう。
「行き詰ったら、戦略性の人に聞け」と言われるくらい、周囲の助けになることができる「戦略性」。
これは、効果的に使わないともったいいないですよね。
そして、人と違う「視点」を持つからこそ、気をつけないといけないことも…。
ここでは、そんな「戦略性」の特徴や活かし方について、わかりやすく解説をしていきます。
では、いってみましょう!
戦略性は「カーナビ」の才能
「戦略性」は、ゴール(目的地)と情報さえ与えられれば、複数の選択肢の中から、最適な方法(ルート)を見つけます。
そんな特性から、ついたあだ名が「カーナビを頭に持つ人」。
また、「こうしたら、こうなる」という先読みが得意。
その先読みから逆算して、最適な方法(打ち手)を見つけるところから、「将棋の名人みたいな才能」と呼ばれることもあります。
頭の中を覗いてみたくなる資質ですね(笑)
戦略性の公式解説動画
まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。
Gallupの公式動画です。
※ 視聴が困難な場合は、そのまま下の解説に進んでも、問題ありません。
登場した男性は、営業パーソンなんでしょう。
「顧客がどんな質問をしてくるかを(事前に)考える」
「取引が不成立となった場合の、次の提案を(事前に)考える」
この想定力こそが、「戦略性」の強みです。
「営業担当者として、あらゆる可能性を検討し、万全な策を練る」とも語っていましたが、この時の楽しそうな表情も印象的でしたね。
「こうなったら、こうしよう」
「じゃあ、こうきたらどうする?」
この脳内問答。
「戦略性」を上位に持たない人から見ると大変そうに感じますが、「戦略性」の人にとっては、ワクワクする時間なんでしょうね。
戦略性は、瞬時に「最適ルート」を見つける人
「戦略性」は、全体を俯瞰して捉える「鳥の目」を持つ才能ともいわれます。
これが、カーナビに近い感覚。
カーナビは、目的地を設定すると、瞬時に「距離優先」「時間優先」など、条件に合わせてたルート(選択肢)を示してくれますよね。
これを、日常のあらゆる場面で行っているのが「戦略性」です。
先ほどの動画で考えると、営業パーソンのゴールは「成約」です。
その「成約」というゴールに向けて、あらゆる可能性(選択肢)を想定する。
そして、その選択肢の中から、ゴールから逆算して最も有効だと思われるアプローチを選択する。
こんなイメージでしょうか。
また、「瞬時に」という点も「戦略性」の特徴です。
事前にあらゆる可能性を想定する「戦略性」ですが、時には、想定外の事態が起こるかもしれません。
そんな時にも慌てないのが「戦略性」。
「そうきたか、じゃあどうしようか」
と、思考を巡らし、その時点での最適ルートを見つけようとします。
これも、カーナビに近い感覚でしょう。
カーナビは、もし事故などで渋滞が発生した場合、こちらが指示をしなくても、「迂回ルート」を見つけてくれますよね。
「戦略性」も、まさにこの感覚です。
戦略性の活かし方
あらゆる状況で、瞬時に、複数の選択肢の中から最適なアプローチを見つける「戦略性」。
では、この資質は、仕事やプライベートで、どう活かすことができるのでしょうか?
周囲が諦めそうな場面で「打開策」を見つける
普通の人が、地上に立って「平面」で物事を見ているとすると、「戦略性」は、高いところから全体を俯瞰する「鳥の目」を持つといわれます。
これは、他の人が「見えていない道」が見えるということ。
チームで仕事としていて、他のメンバーが、「もうやり尽くした」「これ以上、もうやりようはない」という場面でも、「戦略性」は諦めません。
「まだ、この方法を試していないんじゃない?」
「こう動くと、状況が変わると思うよ」
こんな提案をして、その状況からの打開策を見つけてくれます。
さらに、上位に「ポジティブ」「着想」の資質をあわせて持つ人は、「なんとかなるから大丈夫♪」と楽観的に構えながら、周囲が「えっ?」と驚くような方法を思いつくかもしれません。
状況に応じた適切なアドバイスをする
仕事やプライベートの「これからどう進めたらいいだろう?」と迷う場面で、「戦略性」の人は頼りになります。
先ほどの動画に登場した営業パーソンは、後輩にとっては貴重なアドバイザーでしょうね。
「〇〇のニーズを持っているお客さま」
「予算はいくらで、競合他社はこんなアプローチをしている」
このような情報があればあるほど、あらゆる可能性を想定した中から、最適な助言をしてくれるでしょう。
「きっと、競合会社は次回こんな提案してくるはず」
「それを見越して、お客さまにはこう伝えておいたほうがいい」
後輩から見ると、「どうしてそんなことまでわかるの?」と驚くような先読みをして、「確かに!」と思えるアドバイスをしてくれるはずです。
「戦略性」を活かす一番の近道は、「自分の才能を自覚すること」ともいわれます。
「これくらい、みんな考えてるでしょ?」
「戦略性」の人は、そう思うことがあるかもしれません。
でも、この「全体を把握して」「複数の選択肢の中から」「ゴールから逆算して最善のアプローチを見つける」才能は、「戦略性」ならではですからね。
ぜひ、この才能を、自分だけでなく、周囲の人のために使ってください。
きっと、たくさんの人から「いてくれて助かった」と感謝されるはずですよ。
戦略性の人にあった仕事・職場
まず、大前提として、ストレングスファインダー®は、適職診断ツールではありません。
複数の人が、同じ仕事でそれぞれ成果を出している場面でも、「そこで発揮されている資質が全く違う」ということは、よくありますからね。
だからといって、「戦略性に適職なんてものはない!」と断言してしまうのも、どうかと思いますので、就職や転職など、「仕事探し」の際に持っておきたい視点をご紹介します。
新しいやり方を試すことができる仕事
常に複数の選択肢の中から、最善の道を見つけようとする「戦略性」は、その脳内シミュレーションを楽しんでいます。
これは、見方を変えると、それができない環境は苦痛ということ。
「もっとこうした方が」と改善方法を思いついても、それを受け付けてもらえない職場では、息苦しさが増すばかりでしょう。
それとは逆に、独自の視点で思いついたアイデアを自由に試すことができる仕事、それを受け入れてくれる職場では、「戦略性」はイキイキしながら、その力を発揮するはずです。
仕事視点では、「自分に(ある程度の)裁量があること」。
職場視点では、「新しい発想を受け入れる風土があること」。
この2つがポイントです。
人に助言・アドバイスをする仕事
「戦略性」の人が当たり前に行っている思考は、おおいに人の助けになります。
・鳥の目で全体を把握する
・複数の選択肢(アプローチ)を思いつく
・ゴールから逆算して最善のアプローチを見つける
まさに、解決したい課題を抱えている人に対する助言・アドバイスの才能です。
営業・販売職であれば、自社商品の特徴を魅力的に伝えるスタイルではなく、顧客のニーズを理解し、その解決策を提供するソリューション型の営業が向いているでしょう。
また営業の仕事でなくても、助言・アドバイスの機会はたくさんあります。
行き詰っている後輩からの相談に対して、状況を詳しく教えてもらいながら、その後輩が思いつかなかった視点(選択肢)を示すのも、「戦略性」の持ち味です。
そう考えると、一人で黙々と行う仕事よりも、社内外問わず「誰かの助けになる(道を示す)」仕事こそが、「戦略性」を活かす道といえそうです。
戦略性の人は、ここに気をつけて!
ここまで、「戦略性」の魅力、そして、その資質の活かし方などをお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®の上位資質は、二面性があります。
「意思が強い」と「頑固」みたいなものでしょうか。
これって、表裏一体なんですよね。
ここでは、「戦略性」が魅力的な資質だからこそ、「気をつけないと、もったいない!」という点を、2つお伝えします。
口だけの人になってしまう
「戦略性」は、ストレングスファインダー®の4つの資質群のうち「戦略的思考力」のグループに属します。
これは、「行動」ではなく「思考」を強みとするグループ。
「戦略性」だけが発揮されると、あれこれ思考を巡らして、最善のアプローチを思いついても、それを提案するだけで、「自らは行動しない」ということがあるかもしれません。
「戦略性」は、思いついたことを「やりたい」才能ではなく、「思いついたことに満足する」才能ですからね。
これは、周りの人から見ると、「あれこれ口は出すけど、自分では動こうとしない人」という印象につながってしまう可能性があります。
(「戦略性」のほか、上位に「達成欲」や「活発性」のある人は、すぐに動くでしょうけどね)
「口だけ」の人は、周囲から信用されません。
これは、本当にもったいない。
「思いついて満足」はわかりますが、アイデアは、行動してこそ価値があることを忘れないようにしたいですね。
説明不足で周囲を混乱させてしまう
「鳥の目」で全体を俯瞰し、他の人が見えない道(アプローチ)を見つけることができる「戦略性」。
「人と見えている景色が違う」ことを自覚しておかないと、アドバイスの際に、「言葉足らず」になってしまう可能性があります。
例えば道案内。
目的地への最短ルートが直進で、運転手も当然そのように走っている場面。
「戦略性」の人が、助手席から「次の交差点を右に曲がるといいよ」と言ったら、運転手は「?」となるでしょう。
素直に従えない運転手に対して、「どうして曲がらないの?」と文句を言っても、車中はヘンな空気になるだけです。
これは、あきらかな説明不足。
「この時間帯の直進ルートは、渋滞がよく起こっている」
「次の交差点を右折すると、距離は遠くなるけど、渋滞を避けられるから結果早く到着する」
ここまで伝えて、ようやく運転手は納得するはずです。
極端な例ですが、「戦略性」の人のアドバイスは、こんなことが起こりがち。
「戦略性」は、「思い付き」でものを言っていると誤解されやすい資質です。
せっかくの価値あるアドバイス。
相手が聞き入れてくれないと、もったいないですからね。
相手が動いてくれない場合は、聞き入れない相手が悪いのではなく、「自分の説明が不足しているかもしれない」と、自分を省みる姿勢を忘れずに。
助言やアドバイスをする際は、自分では「そこまで必要?」と思うくらいの理由付け(補足説明)があるくらいが、ちょうどいいかもしれません。
もっと戦略性を活かしていくために
ここまで、「戦略性」についてお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®は、もっと奥が深いですからね。
上位資質は、深く知れば知るほど、人生(キャリア)を豊かにする自分だけの道具になっていきます。
ここからは、そのヒントを2つご紹介します。
戦略性×〇〇の組み合わせ
資質は、単独でも特徴はありますが、実際に私たちの中で「強み」として発揮されるとき、決まって「戦略性×〇〇」のように、2つ以上の資質がかけ合わさった形で現れます。
これこそが、ストレングスファインダー®の奥深さであり、私たち一人ひとりの個性です。
上位トップ5の資質が、他の人と全く同じになる確率は、3,300万分の1。
そして、「資質×資質」の組み合わせパターンは、561通り。
上位に同じ「戦略性」を持っていたとしても、それ以外にどんな資質を上位に持っているかによって、その人の「戦略性」が解き放つ魅力は、他の人とは全く異なります。
ここでは、参考までに、「戦略性×〇〇」の例を2つご紹介します。
戦略性×活発性
目指すべきゴールから逆算して、複数の選択肢から最善と思われるアプローチを思いつくと、誰よりも早く行動に移していく。
行動したあとも、「さらに良い方法はないか」と常に思考を巡らせ、最初のアプローチに固執することなく、その都度、新しい方法を思いついては、「試しにやってみよう」と失敗を恐れることなくチャレンジしていく。
戦略性×共感性
あらゆる場面で、状況を俯瞰しながら、最も効率的なアプローチを選択しようとしていく。
その際、効率だけを重視することなく、「関係する人たちは何を望んでいるのか」「そのアプローチをどう感じるか」という相手の心情に配慮した予測をすることで、より関係する人たちの高い満足につながる方法を見つけていく。
ストレングスコーチを使ってみよう
「戦略性×〇〇」の例、いかがでしたか?
この組み合わせは、まだ残り31通りありますからね。
ストレングスファインダー®の書籍を買って、アセスメントを行い、該当するページを読む。
確かにそれも大事ですが、私の感覚では、その段階でのストレングスファインダー®の理解度は、3割程度。
理解度が3割ということは、今後の活用度も3割ですからね。
これでは、せっかく本を買ったのにもったいない。
最新の調理家電を買ったのに、「あたため」しか使わないようなものです。
ストレングスファインダー®は、自分の中に備わっている「人生を豊かにする道具」の存在を自覚するもの。
そして、その道具を、みなさんと一緒に明らかにするサポート・ガイド役となるのが、ストレングスコーチです(私もその一人ですけどね)。
一度きりの人生。もっと自分らしく。もっとラクに。
そう思う人は、一度ストレングスコーチとの「個人セッション」を受けてみてください。
(ちなみに、私のコーチ資格取得は、この「個人セッション」の感動がきっかけでした)
※このサイトでも、いずれ「個人セッション」の受付を行います。
以上、「戦略性」について、ご紹介をしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ぜひ、ご自分が上位に持つ他の資質についても、当サイトでご確認ください。
Use your strengths to be yourself.
~強みを活かして、あなたらしい人生を~