自分の上位資質に「自我」があることを知って、ネガティブなイメージを持った人も多いのではないでしょうか。
「なんか、わがままっぽい…」って。
その一方で、ストレングスファインダー®を十分理解している人の中には、「自分の上位資質の中で、自我が一番好き」という人も多いんですよね。
「この資質が、エネルギーの源になっている」
そういう人が結構います。
この「自我」は、英語で「Significance」。
これは、「意義」とか「重要性」という意味です。
つまり「自我」は、「意義のあることを成し遂げようとする強いエネルギーを持つ資質」ということ。
ちなみに、ストレングスファインダー®を開発したドン・クリフトンは、この「自我」がトップだったらしいですからね。
「意義のあることを成し遂げる才能」と呼ばれることに、疑う余地はないでしょう。
みなさんは、この「自我」の持つ強いエネルギーを、効果的に使えているでしょうか?
ここでは、「自我」の特徴や活かし方、さらには注意点について、わかりやすく解説をしていきます。
では、いってみましょう!
自我は「爪痕を残す」才能
「自我」の人たちは、周囲の人や自分が所属する組織、さらには社会のために何かを成し遂げたいと思っています。
そして、そのために必要な努力を惜しまず、実現に向けた行動(仕事)を「自分の人生そのもの」とまで考えます。
しかし、その取り組みは何でもでもいいわけではありません。
「自分にしかできないことで、意義のあることに取り組めている」
この時に、「自我」は強烈なエネルギーを放ちます。
(逆に、集団の中に埋もれてしまうのはエネルギーダウン…)
そして、「さすが〇〇さん」「これは、〇〇さんだからできたよね」という、周囲の評価・賞賛につなげていきます。
まさに、自分の功績を形にする。
「爪痕残し」の才能といえるでしょう。
自我の公式解説動画
まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。
Gallupの公式動画です。
※ 視聴が困難な場合は、そのまま下の解説に進んでも、問題ありません。
ボランティアで市長から表彰されたエピソードを、とてもうれしそうに語る女性です。
「人の人生にポジティブな影響を与えたい」
「長く残る遺産を残したい」
「周りの人たちに偉大な貢献をした人だと思われたい」
この「~したい」という欲求が、「自我」のエネルギーです。
「長く残る遺産を残したい」という言葉は、先ほどの「爪痕」よりも壮大なイメージですね(笑)
またこの女性は、「ほかの人たちが自分の行動を認めてくれたことがうれしかった」とも語っています。
評価や賞賛は、誰もがうれしいものです。
その中でも、「自我」の人の喜びは、それ以外の人の何倍も高いでしょう。
「その感覚を味わうために、もっと頑張ろう」
「もっとすごいことをして、より多くの人に認めてもらおう」
評価・賞賛の経験が、さらなるエネルギーとなっていくはずです。
見方を変えると、モチベーションの源が「わかりやすい人」ともいえますね。
自我は、意義のあることを成し遂げる人
「爪痕残し」の才能である「自我」は、先ほどの動画の女性のように、「意義のあること」「重要なこと」を成し遂げたいと考えています。
(先ほどの女性は「遺産」という言葉を使っていましたね)
私たちの中には、「自我 = わがまま」というイメージがあるかもしれません。
(確かに「自我」が暴走すると、そういう側面もあります…)
しかし「自我」そのものの欲求には、周囲の人や自分が所属する組織、さらには社会に対する「貢献」があります。
(単なる、「欲しがり」「自分勝手」ではありません(笑))
意義のあることを成し遂げたい。
自分が意義のある存在であることを証明したい。
このふたつが先にあり、それをやり遂げた証明として「評価・賞賛」を求めているといったほうがいいでしょう。
自我の活かし方
誰もが認めるような意義のあることを成し遂げようとする「自我」。
では、この資質は、仕事やプライベートで、どう活かすことができるのでしょうか?
オリジナリティを発揮して組織に貢献する
集団に埋もれることを嫌うのも「自我」の特徴です。
「誰でもできること」
「誰がやっても同じ成果になりそうなこと」
これを日々行っているとエネルギーはダウンしていくはず。
自分の「存在意義」を実感できませんからね。
(どこにも「爪痕」が残りませんし)
やはり、「自我」の生きる道は「自分ならでは」のオリジナリティ。
チームや職場の中で、誰もまだ手を付けていないこと。
仕事であれば、売り上げや業務の効率化などに好影響を与えそうなこと。
自分のオリジナリティを発揮してそこに取り組めているときに、「自我」はワクワクが止まらないでしょう。
やり遂げた先の評価や賞賛を、イメージしているはずですからね。
承認欲求をエネルギーに自分を磨き続ける
何か意義のあることを成し遂げたい「自我」。
でも、「~したい」という思いだけで実現することは難しいですよね。
何かを成し遂げるには、自分が「それに相応しい人間になる」ことが必要です。
得たい成果のために、自分の知識やスキルを高め続ける。
「自我」のエネルギーを上手に活用できている人は、「自己成長をし続けている人」といってもいいでしょう。
「自分だからできることを成し遂げたい」
「自分がそこにいた証を、何らかの形で残したい」
「そして、それに見合った評価や賞賛を得たい」
このストレートな欲求にフタをするのはもったいないですからね。
大事なのは、それに相応しい自分になること。
(その行動がない「自我」こそが、単なる「欲しがり」です)
「学習欲」は、純粋に自己成長を楽しむことができる資質といわれます。
一方で、この「自我」は、「評価・賞賛にふさわしい自分になるために」自己成長することができる資質といえそうですね。
自我の人にあった仕事・職場
まず、大前提として、ストレングスファインダー®は、適職診断ツールではありません。
複数の人が、同じ仕事でそれぞれ成果を出している場面でも、「そこで発揮されている資質が全く違う」ということは、よくありますからね。
だからといって、「自我に適職なんてものはない!」と断言してしまうのも、どうかと思いますので、就職や転職など、「仕事探し」の際に持っておきたい視点をご紹介します。
自分が「ライフワーク」と思える仕事
意義のあることを成し遂げたい「自我」は、仕事を「自分の人生そのもの」と捉える人が多いようです。
仕事は仕事と割り切って、日々の生活のために我慢してやる。
このような「ライスワーク」的な考えは、「自我」には馴染まないでしょう。
「そんな仕事の仕方はもったいない」
「どうせやるなら、意味のあることしたい」
きっとこう考えるはずです。
「自我」の人は、仕事で満たされないと、その影響がプライベートを含めた生活全般に及びます。
だからこそ、仕事選びはとても重要。
会社の事業や自分の役割に、意味と価値を感じることができる仕事。
目の前の業務に取り組みながら、「その先」を思い浮かべて夢中になれる仕事。
ここでの「その先」は、自分が成し遂げた功績(爪痕)と、それによって得られる評価・賞賛のシーンです。
「ライスワーク」ではなく「ライフワーク」。
そう思える仕事でこそ、「自我」は力を発揮するはずです。
自分の裁量で判断・行動できる仕事
「自我」は、独立心が強い資質ともいわれます。
「自分がやるべき」と思ったことを、自分の思うとおりにやりたい。
誰でも少なからず持っていそうな思いですが、「自我」はこの欲求が人一倍強い資質です。
逆に、自分が価値を感じない仕事を、上司の指示によって黙ってやり続けなければならない日常は、非常にストレス…。
キーワードは「裁量」。
「自分で決められること」です。
そう考えると、組織の中では、それが認められる立場にならないといけません。
ひとつは、組織のリーダーになること。
もうひとつは、専門性を高めてその道の「第一人者」と組織で認知されること。
簡単ではありませんが、組織ではそのステージに自分の身を置けたときに、「自我」は日々充実感を得ることができるはずです。
もうひとつは、自分の「裁量」しかない仕事。
フリーランスが、これにあたりますね。
誰からも指図されることなく、自分で決めたことを、自分でやることができる。
独立心の強い「自我」にとっては、フリーランスも進む道のひとつと考えていいでしょう。
ただ、「指図されるのがイヤだから、フリーランスの道へ」はオススメしません。
これだと、おそらく道に迷うはずです。
(気持ちはわかりますけど…。)
繰り返しになりますが、「自我」は、意義のあることを成し遂げたい才能です。
「イヤだから」だけでなく、「やりたいことが他にあるから」。
「自我」の人がフリーランスを志す際には、この動機もあわせて持っておきたいですね。
営業職
具体的な職種で考えると、「営業職」は「自我」のエネルギーを発揮しやすい仕事になりそうです。
他者からの承認や賞賛が原動力になる資質ですからね。
営業は、自分の努力がわかりやすく実績に反映する仕事です。
しかも、他者と比較した自分の位置もわかりやすい。
「誰よりも高い実績を上げて、自分の存在価値を証明する」
「自我」だけでも十分すぎるエネルギーですが、上位に「競争性」を合わせて持つ人は、きっとそのエネルギーが2倍になるはずです(笑)
自我の人は、ここに気をつけよう!
ここまで、「自我」の魅力、そして、その資質の活かし方などをお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®の上位資質は、二面性があります。
「意思が強い」と「頑固」みたいなものでしょうか。
これって、表裏一体なんですよね。
ここでは、「自我」が魅力的な資質だからこそ、「気をつけないと、もったいない!」という点を、2つお伝えします。
「自分が、自分が」になってしまう
他者からの評価や賞賛を、人一倍エネルギーとする「自我」は、暴走すると「自己中心的な欲しがり」になってしまいます。
例えば、自慢話で必要以上の自己アピールをしてしまう。
評価につながる仕事だけを選ぼうとする。
ちょっと、いや、かなり子供っぽい印象ですね(笑)
「もっと見て!」「もっと褒めて!」
わかりすくいうと、これが前面に出てしまう状態です。
自分の行動は自分でコントロールできますが、人の評価は自分ではどうしようもありません。
このコントロールできないものに振り回されてしまう(感情を揺さぶられてしまう)のは、「自我」の気をつけるポイントといえそうです。
ネガティブフィードバックで落ち込んでしまう
プラスの評価で満たされる「自我」は、それとは逆、マイナスの評価に過剰反応する傾向があります。
一言でいえば、傷つきやすい。
「繊細」といってもいいかもしれません。
ちなみに「自我」は、無視をされたり、軽視されるのもイヤ。
「意義のあることをやるぞ!」
「自分のいた証(爪痕)を残すぞ!」
と、すごくストイックなのですが、一方で「脆さ」もある資質。
ちょっと、ややこしいですね(笑)
「自我」の人は、この自分の「ややこしさ」を自覚しておきましょう。
そして、ネガティブフィードックに凹みそうなときは、自分を客観視することが大切です。
そして、自分と資質を「切り分ける」感覚を持つといいでしょう。
「あ、今自分の『自我』が過剰に反応してるな」
「この落ち込みは、『自我』が自分を守ろうとしているんだな」
自分ではなく、自分の中の「自我」という資質(道具)が反応しているだけ。
この「客観視」ができると、落ち込み感情を「深刻に受け止めすぎだよ」と、冷静になだめてあげることができまず。
資質は、自分の人生を豊かにする道具ですからね。
その資質に飲み込まれないことが大切です。
(これは、「自我」に限らない話ですけどね)
もっと自我を活かしていくために
ここまで、「自我」についてお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®は、もっと奥が深いですからね。
上位資質は、深く知れば知るほど、人生(キャリア)を豊かにする自分だけの道具になっていきます。
ここからは、そのヒントを2つご紹介します。
自我×〇〇の組み合わせ
資質は、単独でも特徴はありますが、実際に私たちの中で「強み」として発揮されるとき、決まって「自我×〇〇」のように、2つ以上の資質がかけ合わさった形で現れます。
これこそが、ストレングスファインダー®の奥深さであり、私たち一人ひとりの個性です。
上位トップ5の資質が、他の人と全く同じになる確率は、3,300万分の1。
そして、「資質×資質」の組み合わせパターンは、561通り。
上位に同じ「自我」を持っていたとしても、それ以外にどんな資質を上位に持っているかによって、その人の「自我」が解き放つ魅力は、他の人とは全く異なります。
ここでは、参考までに、「自我×〇〇」の例を2つご紹介します。
自我×着想
他の人が思いつかないような独自の視点で斬新なアイデアを思いつき、それを形にすることで、チームや組織の中で、「さすが〇〇さん」「それは〇〇さんしかできない」と周囲から認知される存在になっていく。
自我×最上志向
現状に満足することなく、「もっともっと」と自分の仕事のクオリティを高め続けていく人。
自分が「これだ!」とこだわることについて、とことんまでその精度を高めることで、誰からも一目置かれる存在に。チームや組織の中では、その分野の第一人者になっていく。
ストレングスコーチを使ってみよう
「自我×〇〇」の例、いかがでしたか?
この組み合わせは、まだ残り31通りありますからね。
ストレングスファインダー®の書籍を買って、アセスメントを行い、該当するページを読む。
確かにそれも大事ですが、私の感覚では、その段階でのストレングスファインダー®の理解度は、3割程度。
理解度が3割ということは、今後の活用度も3割ですからね。
これでは、せっかく本を買ったのにもったいない。
最新の調理家電を買ったのに、「あたため」しか使わないようなものです。
ストレングスファインダー®は、自分の中に備わっている「人生を豊かにする道具」の存在を自覚するもの。
そして、その道具を、みなさんと一緒に明らかにするサポート・ガイド役となるのが、ストレングスコーチです(私もその一人ですけどね)。
一度きりの人生。もっと自分らしく。もっとラクに。
そう思う人は、一度ストレングスコーチとの「個人セッション」を受けてみてください。
(ちなみに、私のコーチ資格取得は、この「個人セッション」体験での感動がきっかけでした)
※このサイトでも、いずれ「個人セッション」の受付を行います。
以上、「自我」について、ご紹介をしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ぜひ、ご自分が上位に持つ他の資質についても、当サイトでご確認ください。
Use your strengths to be yourself.
~強みを活かして、あなたらしい人生を~