「この人、ちょっと元気なさそう…」
「なんとなく、空気がピリッとしてるかも」
「共感性」の高い人は、そうした変化に気づきやすいかもしれません。
この資質は、周囲の感情や空気の動きを敏感にとらえる力です。
タイミングを見て言葉を添えたり、表情やしぐさでそっと寄り添ったり。
そんな自然な気配りができるのは、「共感性」ならではの魅力でしょう。
ここでは、「共感性」の特徴や活かし方、気をつけたいポイントについてわかりやすく解説していきます。
共感性は「人の気持ちを察する」才能
「共感性」は、目の前の人の感情を、まるで自分のことのように感じ取れる資質です。
表情や声のトーン、場の空気から、さりげない気持ちの変化を読み取っていきます。
相手がまだ言葉にしていない感情にも、自然と気づいていることがあるでしょう。
たとえば、笑顔を見せていても、「本当は無理してるのかも」と感じることがある。
この「察する」チカラ。
そして、そのあとに続く、やさしい関わり方。
それこそが、「共感性」の持ち味です。
気持ちに寄り添ってくれるからこそ、信頼関係が育っていくのでしょうね。
「私の気持ちを、わかってくれている」
「私のことを、大切に思ってくれている」
相手は、自然とそう感じるはずですから。
「共感性」とよく対比されるのが、「分析思考」です。
「共感性」は、人の感情や自分の感覚を大切にする才能。
一方の「分析思考」は、データや事実をもとに、冷静に物ごとを整理して考える才能です。
どちらも上位に持つ人は、「感覚と論理の両方を行き来できる」バランス型かもしれませんね。
逆に「共感性」だけが上位の人は、「人の気持ちを何よりも大切にする」タイプといえるでしょう。
共感性の公式解説動画
まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。
Gallupの公式動画です。
※ 視聴が困難な場合は、そのまま下の解説に進んでも、問題ありません。
投資会社に勤務する男性です。
顧客のニーズや、言葉にしない質問を予測できる。
顧客の感情を、まるで自分の感情のように感じ取ることができる。
顧客の心を汲み取ることで、深く信頼できる関係を築いている。
このようなことを話していましたね。
「感じよう」と思う前に「感じている」。
人といるときは、資質が勝手に反応している。
そんな印象がありました。
「話を聴く」ときも、相手の言葉だけを聴いているわけではありません。
声のトーン、表情、姿勢など。
五感すべてを使って、「相手を感じている」様子が伝わってきます。
「共感性」の人がそばにいると、安心して心を開ける。
その空気を自然につくれるのが、この資質の強みといえるでしょう。
共感性は、さりげない気配りの人
「今の話、ちょっと伝わりにくかったかな」
「これは、あまり聞きたい話じゃなかったかも」
「共感性」の人は、そんなふうに相手の反応をすばやく感じ取ります。
言葉にされる前の空気の変化に、自然と気づけますからね。
話の途中で「何か違うかも」と思えば、すぐに補足したり、言い直したりする。
営業の場面でも、「この話題には興味がなさそうだな」と察して、話の切り口を変える。
どれも本人にとっては、ごく自然なふるまいでしょう。
だからといって、気を遣いすぎることもありません。
過剰に寄り添うのではなく、その場の空気にそっとなじんでいく。
「共感性」の人のそんな自然なふるまいが、まわりに安心感をもたらしていきます。
「〇〇さんが相手だと、リラックスして話せる」
そんなふうに思われている人も、きっと多いはず。
そばにいるだけで、空気がやわらぐ。
それが、「共感性」の人たちの魅力です。

共感性の活かし方
まわりの人の気持ちや場の空気を、敏感に感じ取ることができる「共感性」。
では、この資質は、仕事やプライベートで、どう活かすことができるのでしょうか?
相手の想いに耳を傾ける
「共感性」の人は、相手の気持ちを自然と感じ取る力があります。
その力を活かして、良き相談相手として人を支えている人も多いでしょうね。
たとえば、誰かが悩みを打ち明けてくれたとき。
すぐに解決しようとせず、「どんなふうに感じているか」に耳を傾ける。
その姿勢が、相手の緊張や迷いをほぐしていきます。
仕事の場面でも、相手の言葉だけで判断をしません。
その人がどんな想いを抱えているか、背景にある感情にも自然と意識が向いている。
言葉にはならない感情に気づき、そっと寄り添う。
そんな関わり方ができるからこそ、「相談するならこの人に」と思われているはずです。
気持ちを整理したい。
誰かに受け止めてもらいたい。
そんなときに、ふと顔が浮かぶ。
それが、「共感性」の人たちです。
心が動いたときの感覚を大切にする
「共感性」の人は、自分の中にふと湧き上がる感覚を、自然とキャッチしています。
何かに心が動いたとき。
それが、自分にとっての大切なサインになることも多いでしょう。
「なんだか気になる」
「なんか好きかもしれない」
理由はまだはっきりしなくても、そう感じたときに、そっと動いてみる。
理屈よりも、心の反応を信じて選ぶことが、「共感性」の人にとっては自然です。
たとえば、「このテーマ、なんだか惹かれる」と感じた瞬間に、本を手に取ってみる。
「ここ、いい雰囲気だな」と思った場所に、もう一度足を運んでみる。
そうやって直観に従うことで、自分の感覚に素直な行動が取れるようになっていきます。
感覚を信じて一歩踏み出す。
そんな選択の積み重ねが、「自分らしくいること」につながっていくはずです。

共感性の人にあった仕事・職場
まず、大前提として、ストレングスファインダー®は、適職診断ツールではありません。
複数の人が、同じ仕事でそれぞれ成果を出している場面でも、「そこで発揮されている資質が全く違う」ということは、よくありますからね。
だからといって、「共感性に適職なんてものはない!」と断言してしまうのも、どうかと思いますので、就職や転職など、「仕事探し」の際に持っておきたい視点をご紹介します。
誰かの不安や悩みに寄り添える仕事
自然体で人の気持ちに寄り添うことができる「共感性」。
だからこそ、じっくり人と向き合える仕事のほうが、自分らしく働けるでしょう。
たとえば──
・カウンセラーや心理支援職のように、相手の心に寄り添う仕事
・看護師や介護職など、不安や痛みを抱える人のそばにいる仕事
・人材系や学校の相談窓口など、誰かの悩みを受け止め、サポートする仕事
こうした仕事では、「この人になら話してみたい」と思ってもらえることが、大きな力になります。
「話をしているうちに、なんだか気持ちが軽くなった」
そう言われた経験がある人も、多いのではないでしょうか。
ただ、その力が活かされるかどうかは、働く環境によって変わります。
忙しさに追われて、ゆっくり話を聴けないような職場。
そんな環境では、持ち前の感受性が、むしろ負担になりかねません。
どんな働き方であれ、大切なのは「感情に目を向けられる余白」があるかどうか。
心のゆとりがある環境こそ、「共感性」の人が力を発揮できる場になっていくでしょう。
チームや人間関係を大切にする職場
人との関わりの中で力を発揮する「共感性」。
それだけに、チームの空気感や人間関係のあり方は、働きやすさに直結します。
たとえば──
・お互いに気づかいを忘れず、感謝やねぎらいの言葉が飛び交う職場
・相手の立場に配慮しながら、建設的に対話できる関係性
・困ったときに誰かが声をかけてくれる、あたたかい雰囲気のチーム
こうした人間関係の土壌があると、「共感性」の人は安心して周囲に目を配ることができます。
逆に――
メンバー同士が遠慮しあっている。
チーム内に、ギスギスした対立の雰囲気がある。
そんな環境では、力を発揮する前に、気疲れでくたびれてしまうこともあるでしょう。
求めたいのは、人と人とのつながりを大切にできる職場。
そうした関係性の中でこそ、「共感性」の人は心地よく働けるはずです。

共感性の人はここに気をつけよう!
ここまで、「共感性」の魅力、そして、その資質の活かし方などをお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®の上位資質は、二面性があります。
「意思が強い」と「頑固」みたいなものでしょうか。
これって、表裏一体なんですよね。
ここでは、「共感性」が魅力的な資質だからこそ、「気をつけないと、もったいない!」という点を、2つお伝えします。
周囲の感情に振り回されてしまう
「共感性」の人は、まわりの感情を敏感に感じ取ることができます。
その繊細さは、「この人ならわかってくれる」と信頼される強み。
ただその一方で、まわりの感情に引き込まれすぎて、気持ちが揺らいでしまうこともあります。
たとえば──
・同僚がイライラしていると、自分まで落ち着かなくなる
・落ち込んでいる人の話を聴いて、自分まで落ち込んでしまう
・「気にしすぎかも」と思いつつ、場の空気が気になって頭から離れない
こうした状態が続くと、自分のペースがつかめず、疲れがたまっていきます。
特に、真面目で責任感の強いタイプは、その影響を受けやすいかもしれません。
大切なのは、人の感情と自分の感情を切り離して考えること。
「共感性」は、「自分事化の才能」ともいわれますからね。
放っておくと、相手の感情に深く入り込みすぎてしまうことも。
相手の気持ちに寄り添いつつ、自分の心にも意識を向けていく。
そんなバランス感覚が、「共感性」の力を健やかに活かすカギになっていくでしょう。
無理にでも気持ちに応えようとしてしまう
「共感性」の人は、相手の感情に深く寄り添うことができます。
誰かが困っていると、「何かしてあげたい」という気持ちが強くなるタイプといえるでしょう。
でも、その思いが強くなりすぎると、無理をし過ぎてしまうことも。
たとえば──
・疲れていても、頼まれたことを断れずに引き受けてしまう
・相手が気を悪くしないよう、言いたいことを我慢してしまう
・「助けたい」と思う気持ちが強すぎて、自分を後回しにしてしまう
こうした状態が続くと、心のエネルギーがすり減っていきます。
最初は「誰かの力になれてうれしい」と思っていた。
それなのに、気がつけば、自分の気力と体力が限界に近付いている――
そんなこともあるかもしれません。
大切なのは、「応えられないときがあってもいい」と、自分に許すこと。
気持ちに寄り添うことと、すべてに応えることは違いますからね。
相手を大切に思いながらも、自分の心と体を守る境界線をもっておく。
そのバランスを少し意識するだけで、「共感性」の人は自然体で自分らしくいられるはずです。

もっと共感性を活かしていくために
ここまで、「共感性」についてお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®は、もっと奥が深いですからね。
上位資質は、深く知れば知るほど、人生(キャリア)を豊かにする自分だけの道具になっていきます。
ここからは、そのヒントを2つご紹介します。
共感性×〇〇の組み合わせ
資質は、単独でも特徴はありますが、実際に私たちの中で「強み」として発揮されるとき、決まって「共感性×〇〇」のように、2つ以上の資質がかけ合わさった形で現れます。
これこそが、ストレングスファインダー®の奥深さであり、私たち一人ひとりの個性です。
上位トップ5の資質が、他の人と全く同じになる確率は、3,300万分の1。
そして、「資質×資質」の組み合わせパターンは、561通り。
上位に同じ「共感性」を持っていたとしても、それ以外にどんな資質を上位に持っているかによって、その人の「共感性」が解き放つ魅力は、他の人とは全く異なります。
ここでは、参考までに、「共感性×〇〇」の例を2つご紹介します。
共感性×回復志向
相手のつらさや戸惑いに敏感で、そっと気持ちに寄り添いながら力になろうとする人。
今感じているしんどさに耳を傾けつつ、「どうすれば少しでも楽になれるか」を一緒に探し、相手のペースにあわせて寄り添っていく。
共感性×調和性
場の雰囲気や人の感情に敏感で、小さな違和感も見逃さず、緊張の芽に先回りして気づける人。
誰かが居心地の悪さを感じていないかを気にかけながら、全員が穏やかに過ごせる空気を丁寧につくっていく。
ストレングスコーチを使ってみよう
「共感性×〇〇」の例、いかがでしたか?
この組み合わせは、まだ残り31通りありますからね。
ストレングスファインダー®の書籍を買って、アセスメントを行い、該当するページを読む。
確かにそれも大事ですが、私の感覚では、その段階でのストレングスファインダー®の理解度は、3割程度。
理解度が3割ということは、今後の活用度も3割ですからね。
これでは、せっかく本を買ったのにもったいない。
最新の調理家電を買ったのに、「あたため」しか使わないようなものです。
ストレングスファインダー®は、自分の中に備わっている「人生を豊かにする道具」の存在を自覚するもの。
そして、その道具を、みなさんと一緒に明らかにするサポート・ガイド役となるのが、ストレングスコーチです(私もその一人ですけどね)。
一度きりの人生。もっと自分らしく。もっとラクに。
そう思う人は、一度ストレングスコーチとの「個人セッション」を受けてみてください。
(ちなみに、私のコーチ資格取得は、この「個人セッション」体験での感動がきっかけでした)
※このサイトでも、いずれ「個人セッション」の受付を行います。
以上、「共感性」について、ご紹介をしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ぜひ、ご自分が上位に持つ他の資質についても、当サイトでご確認ください。
Use your strengths to be yourself.
~強みを活かして、あなたらしい人生を~
実行力 | 影響力 | 人間関係 構築力 |
戦略的 思考力 |
---|---|---|---|
達成欲 | 活発性 | 適応性 | 分析思考 |
アレンジ | 指令性 | 運命思考 | 原点思考 |
信念 | コミュニケーション | 成長促進 | 未来志向 |
公平性 | 競争性 | 共感性 | 着想 |
慎重さ | 最上志向 | 調和性 | 収集心 |
規律性 | 自己確信 | 包含 | 内省 |
目標志向 | 自我 | 個別化 | 学習欲 |
責任感 | 社交性 | ポジティブ | 戦略性 |
回復志向 | 親密性 |