「この人には、このやり方が合いそう」
「みんな一緒では、どうもしっくりこない」
「個別化」の人は、この感覚がわかるのではないでしょうか。
「個別化」は、一人ひとりの違いに目が向く才能。
その人に合った関わり方を、自然と考えていることも多いでしょう。
一方で、画一的なルールやマニュアルに、しっくりこない場面もあるかもしれません。
ここでは、「個別化」の特徴や活かし方、さらには注意点について、わかりやすく解説していきます。
個別化は「人の個性を活かす」才能
みんなが同じやり方をしているのを見て、「それぞれに合った方法があるのに…」と感じる。
これは、「個別化」の人からよく聞く言葉です。
「個別化」は、一人ひとりの特性や強みに目を向ける才能。
その人らしさを見つけ、それが活きるように役割を考えたり、得意な分野で力を発揮できるように工夫をしたりします。
例えば、チームで仕事を進めるとき。
「この人には、分析よりアイデア出しが向いている」
「この人は裏方よりも、人前に立つほうが力を発揮する」
そんなふうに、「その人がもっとも力を発揮できる場所」を見極め、活かそうとするでしょうね。
この「個別化」とよく対比されるのが、「公平性」です。
「公平性」は、全員に同じルールを適用することで、平等な環境を保とうとする才能。
一方の「個別化」は、人によって異なるアプローチをとることで、それぞれが力を発揮できる状況をつくろうとする才能です。
どちらも上位に持つ人は、「全体に共通するルールを守りつつ、その中で個性も活かしていく」バランス型かもしれませんね。
逆に「個別化」だけが上位の人は、「その人らしさを引き出す方法をいつも考えている」タイプといえるでしょう。
個別化の公式解説動画
まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。
Gallupの公式動画です。
※ 視聴が困難な場合は、そのまま下の解説に進んでも、問題ありません。
金融機関で人事の仕事をする男性です。
採用応募者それぞれの独自性を見つけ出すことができる。
応募者と、人材を求めるマネージャーとの相性も見極めている。
マネージャーからは、最適な人を見つける不可思議な力があると言われる。
このようなことを話していましたね。
また、「応募者に、自分の強みについて話してもらう」という言葉も印象的でした。
応募者一人ひとりの個性を読み取り、その先の活躍の場面まで自然と思い描いているようですね。
「この人にはこの環境が合う」
「この人はこう扱うと伸びる」
人をひとくくりにせず、それぞれが持つ「違い」に自然と目が向く。
そして、その人がより力を発揮できるような関わり方を考えていく。
「個別化」は、「人の違いを価値に変えていく」才能といえるでしょう。
個別化は、一人ひとりの可能性を見抜く人
「この人、もっと違う場所なら力を発揮できるのに」
「個別化」の人は、仲間や同僚を見ていて、このように感じたことがあるかもしれません。
「個別化」は、人をあるがままに見ようとする資質。
肩書や役割ではなく、「その人がどんな人か」に目を向ける才能です。
その人の強み、こだわり、動機づけのスイッチ。
そうした「内側の違い」に、自然と意識が向いていきます。
だからこそ、誰かがうまく力を出せていない場面では、「本人ではなく、環境ややり方のほうに原因があるのでは」と考える視点を持っています。
みんなと同じでなくていい。
その人らしさが発揮される環境こそが、力を引き出す鍵になる。
「個別化」は、その鍵を見つけ出す力をもった資質です。
「個別化」の視点が加わることで、チームの可能性は確実に広がっていくでしょうね。

個別化の活かし方
一人ひとりの違いに目を向け、その人らしさを引き出すことができる「個別化」。
では、この資質は、仕事やプライベートで、どう活かすことができるのでしょうか?
接し方を一人ひとりにあわせて工夫する
「個別化」の人は、相手の言葉づかいや反応の違いにとても敏感です。
その人がどんな言い方なら納得するか、どう伝えたら前向きになれるか。
無意識のうちに、相手にあわせた接し方を選んでいることが多いのではないでしょうか。
例えば、部下や後輩へ声かけをする場面。
「この人には、まず共感が先」
「この人は、はっきり伝えた方が動きやすい」
そんなふうに、相手のタイプを見極めながら、関わり方を変えていくでしょう。
また、うまく伝わらなかったときには、その理由を相手の特性から丁寧に読み解こうとします。
メッセージを一方的に押しつけるのではなく、相手に届く方法を丁寧に探していける。
その姿勢は、信頼関係を築くうえで大きな力になるはずです。
相手に合わせて接し方を変えることは、決して「甘やかし」ではありません。
その人らしさを引き出すための、思いやりのある「戦略」といってもいいでしょうね。
得意や強みを見抜いて任せる
「この人には、きっとこういう仕事が合う」
「個別化」の人は、相手の得意や強みに自然と目が向きます。
本人がまだ気づいていない魅力や力に、先に気づけることもあるでしょうね。
例えば、チームで役割分担をする場面。
「この人は、調整役よりも分析が向いていそう」
「この人には、みんなを巻き込む役を任せたい」
そんなふうに、一人ひとりの特性を見極めながら、力を発揮できそうな役割を考えていきます。
大切なのは、「みんなに同じことを期待する」のではなく、「それぞれの持ち味を活かせる場所に置く」こと。
そうすることで、本人はもちろんのこと、チームのパフォーマンスも自然と高まっていくはずです。
役割の配置ひとつで、人の力は大きく変わる。
その可能性を信じて任せていけるのが、「個別化」の魅力といっていいでしょう。

個別化の人にあった仕事・職場
まず、大前提として、ストレングスファインダー®は、適職診断ツールではありません。
複数の人が、同じ仕事でそれぞれ成果を出している場面でも、「そこで発揮されている資質が全く違う」ということは、よくありますからね。
だからといって、「個別化に適職なんてものはない!」と断言してしまうのも、どうかと思いますので、就職や転職など、「仕事探し」の際に持っておきたい視点をご紹介します。
相手に応じて柔軟に対応できる仕事
「この人には、この伝え方が合いそう」
「同じ対応では、誰にも響かない気がする」
「個別化」の人は、そんなふうに相手の違いを大切にしながら接することができます。
そして、この柔軟さは、仕事の場面でもしっかりと活かすことが可能。
例えば──
・応募者の個性や適性を見極める採用担当
・相手ごとの価値観やニーズに合わせた提案を行う営業職
・言葉づかいや反応に寄り添って対応するカスタマーサポート
どの仕事にも共通するのは、「一人ひとりに合わせた対応」が求められるということ。
まさに「個別化」の人が自然と力を発揮できるフィールドといえますね。
誰にでも同じ対応をするのではなく、その人らしさを尊重しながら、伝え方や関わり方を変えていく。
「個別化」だからこそできる行動の積み重ねが、信頼を生み、仕事上の成果にもつながっていくはずです。
人の個性や強みを引き出す仕事
「この人の強みは、ここにある」
「もっと違うやり方なら、きっと力を発揮できる」
「個別化」の人は、そうした「その人らしさ」に自然と目が向きます。
表面的なスキルや肩書だけで判断せず、その人がどんな特性を持ち、どんな場面で活きるのかを見出していける。
まさに、「個性を見つけ、引き出す」才能といえますね。
そんな「個別化」の力が活きるのは、相手とじっくり向き合い、その人に合ったサポートをしていく仕事。
例えば──
・子どもの特性に合わせた声かけや働きかけを考える教育・保育の仕事
・一人ひとりの成長や状況に応じたサポートを行う人材育成やマネジメント職
・その人の強みをベースに関わるコーチやメンター
これらの仕事で求められるのは、「相手の力をどう伸ばすか」を考える視点です。
大切なのは、正解を押しつけることではなく、相手の中にある種に光を当て、育てていく姿勢。
その関わりが、相手の自己理解や成長を後押しするきっかけになっていくはずです。
「個別化」は、その人の中に眠っている力にいち早く気づくことができる才能です。
だからこそ、人の可能性を引き出す仕事で、「この人がいてくれてよかった」と思ってもらえる存在になっていくでしょう。

個別化の人はここに気をつけよう!
ここまで、「個別化」の魅力、そして、その資質の活かし方などをお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®の上位資質は、二面性があります。
「意思が強い」と「頑固」みたいなものでしょうか。
これって、表裏一体なんですよね。
ここでは、「個別化」が魅力的な資質だからこそ、「気をつけないと、もったいない!」という点を、2つお伝えします。
平等よりも「違い」を重視しすぎてしまう
「個別化」は、一人ひとりの違いに目が向く才能。
その人に合った関わり方や、強みを活かせる場をつくろうとする力があります。
ただ、そのこだわりが強くなりすぎると、少し注意が必要です。
「この人には、個別にサポートしたい」
「この人は、時間をかけて見守ってあげよう」
「個別化」の人は、そんなふうに考える場面があるかもしれません。
このとき、本人のなかでは「配慮」や「最適化」のつもりでも、周囲からは「不公平」「えこひいき」と受け取られてしまうこともあります。
もちろん、「みんなに同じことをする」ことが、必ずしも平等とは限りません。
でも、その考え方を共有しないまま行動してしまうと、誤解につながる可能性がありますからね。
「なぜ自分はこの対応を選んだのか」
「相手によって接し方を変える意図はどこにあるのか」
自分の中では自然な判断だったとしても、周囲にしっかり説明すること。
それが、チームで「個別化」を活かすうえで、大切なポイントになるでしょう。
つい、人にレッテルを貼ってしまう
「個別化」は、一人ひとりの違いに目が向く才能。
相手の特性や強みに気づき、それを活かせる関わり方や任せ方を考えるのが得意です。
ただ、その「見抜く力」が鋭すぎるあまりに、少し気をつけたいポイントもあります。
たとえば──
「この人は、慎重すぎて動けないタイプ」
「この人には、あまり期待できないかも」
そんなふうに、相手の特徴を早い段階で「決めつけて」しまうことがあるかもしれません。
たしかに、「個別化」の人は、相手の言動から特性を読み取るのが得意。
でも、一度ラベルを貼ってしまうと、無意識のうちに関わり方が偏ってしまうことも。
人は、状況やタイミングで見え方も変わります。
成長によって変わっていく可能性も十分にあるでしょう。
「この人は、こういう人だ」と思ったときこそ、一歩引いて、別の角度からも見てみる。
その視点が、「個別化」の強みをより広い視点で活かしていくカギになるでしょう。

もっと個別化を活かしていくために
ここまで、「個別化」についてお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®は、もっと奥が深いですからね。
上位資質は、深く知れば知るほど、人生(キャリア)を豊かにする自分だけの道具になっていきます。
ここからは、そのヒントを2つご紹介します。
個別化×〇〇の組み合わせ
資質は、単独でも特徴はありますが、実際に私たちの中で「強み」として発揮されるとき、決まって「個別化×〇〇」のように、2つ以上の資質がかけ合わさった形で現れます。
これこそが、ストレングスファインダー®の奥深さであり、私たち一人ひとりの個性です。
上位トップ5の資質が、他の人と全く同じになる確率は、3,300万分の1。
そして、「資質×資質」の組み合わせパターンは、561通り。
上位に同じ「個別化」を持っていたとしても、それ以外にどんな資質を上位に持っているかによって、その人の「個別化」が解き放つ魅力は、他の人とは全く異なります。
ここでは、参考までに、「個別化×〇〇」の例を2つご紹介します。
個別化×アレンジ
メンバー一人ひとりの特性を見極めながら、その場に合った最適な役割分担や進め方をデザインできる人。
状況や人の動きに応じて柔軟に配置や流れを調整し、全体がうまく回るように絶えず最善を組み立てていく。
個別化×共感性
相手の感情と特性の両方に細やかに意識を向けながら、「今、この人に必要なのは何か」を感じ取れる人。
その場の空気や相手の気持ちをくみ取りながら、無理のない自然な関わり方を丁寧に選んでいく。
ストレングスコーチを使ってみよう
「個別化×〇〇」の例、いかがでしたか?
この組み合わせは、まだ残り31通りありますからね。
ストレングスファインダー®の書籍を買って、アセスメントを行い、該当するページを読む。
確かにそれも大事ですが、私の感覚では、その段階でのストレングスファインダー®の理解度は、3割程度。
理解度が3割ということは、今後の活用度も3割ですからね。
これでは、せっかく本を買ったのにもったいない。
最新の調理家電を買ったのに、「あたため」しか使わないようなものです。
ストレングスファインダー®は、自分の中に備わっている「人生を豊かにする道具」の存在を自覚するもの。
そして、その道具を、みなさんと一緒に明らかにするサポート・ガイド役となるのが、ストレングスコーチです(私もその一人ですけどね)。
一度きりの人生。もっと自分らしく。もっとラクに。
そう思う人は、一度ストレングスコーチとの「個人セッション」を受けてみてください。
(ちなみに、私のコーチ資格取得は、この「個人セッション」体験での感動がきっかけでした)
※このサイトでも、いずれ「個人セッション」の受付を行います。
以上、「個別化」について、ご紹介をしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ぜひ、ご自分が上位に持つ他の資質についても、当サイトでご確認ください。
Use your strengths to be yourself.
~強みを活かして、あなたらしい人生を~
実行力 | 影響力 | 人間関係 構築力 |
戦略的 思考力 |
---|---|---|---|
達成欲 | 活発性 | 適応性 | 分析思考 |
アレンジ | 指令性 | 運命思考 | 原点思考 |
信念 | コミュニケーション | 成長促進 | 未来志向 |
公平性 | 競争性 | 共感性 | 着想 |
慎重さ | 最上志向 | 調和性 | 収集心 |
規律性 | 自己確信 | 包含 | 内省 |
目標志向 | 自我 | 個別化 | 学習欲 |
責任感 | 社交性 | ポジティブ | 戦略性 |
回復志向 | 親密性 |