「引き受けた以上、最後までやらないと気が済まない」
「約束を破る(時間にルーズな)人は、信用できない」
「責任感」の資質を持つ人は、この感覚がわかるのではないでしょうか。
「責任感」は、人との約束や任された仕事に、誠実に向き合おうとする才能です。
「人を失望させたくない」
「自分への信頼には、結果で応えたい」
根底にあるのは、こんな思い。
周囲から、頼りにされる場面も多いでしょう。
ここでは、「責任感」の特徴や活かし方、さらには注意点について、わかりやすく解説していきます。
責任感は「有言実行」の才能
人との約束を必ず果たそうとする「責任感」は、「有言実行の人」と言われます。
つまり、「やらないと!」という思いは、対人関係の中で働くということ。
(「責任感」の人の中には、「自分で決めたことには甘い」という人もいます)
キーワードは「信頼」。
「信頼に応えたい」
「信頼を裏切りたくない」
これは、仕事でもプライベートでも、誰もが少なからず思うことでしょう。
「責任感」の人は、この思い方が人一倍強い。
特にトップ5に「責任感」を持つ人は、その義務感が人の10倍強いとも言われます(笑)
仕事では、特に以下の2つで「こだわり」が発揮されます。
期日(時間)を厳守する。
クオリティを落とさない。
こんな人なら、周りの人たちも安心して仕事を任せることができますね。
「有言実行」の人であり、仕事においては「管理不要」の人。
それが「責任感」です。
責任感の公式解説動画
まずは、こちらの動画(1分程度)をご覧ください。
Gallupの公式動画です。
※ 視聴が困難な場合は、そのまま下の解説に進んでも、問題ありません。
建設土木会社のプロジェクトマネージャーを務める男性。
話の中に、「責任感」らしいキーワードが次々登場しました。
自分でやると言ったのだから、何としても正しくやり遂げる。
「責任感」は、プロジェクトを完了させる動機付けになる。
手を抜かず、確実にすべてが質の高い仕事であるようにする。
ただやるのではなく、正しくやる。
この「正しさ」へのこだわりも、「責任感」の特徴。
「正義感」「倫理観」を大切にする資質ともいわれますからね。
同じ成果を出すのにも、間違ったやり方(ルール違反)は認めない。
正しいことを正しく行って、成果を出そうとします。
また、興味深いコメントもありました。
「仕事や要求が来ると、本能的に『はい』と言いたくなる」
これも、「責任感」の特徴です。
ベースにあるのは、やはり「信頼、期待に応えたい」という思い。
仕事の依頼は、自分たちが「信頼、期待されている証拠」ですからね。
「はい、やらせていただきます!」
言いたくなるんでしょうね、やっぱり(笑)
言葉にはしなくても、「喜んで!」という感じかもしれません。
責任感は、高いオーナーシップを持つ人
引き受けた役割を必ずやり遂げようとする「責任感」は、「自分でなんとかする」という思いが人一倍強いといわれています。
逃げないし、途中で投げ出さない。
まさに、「オーナーシップの人」といえますね。
もしその役割が、今の実力以上のものだとしたら。
その役割にふさわしい自分になるよう、とことん努力をするはず。
「達成欲」もあわせて上位に持つ人は、まさに「昼夜を問わず」努力し続けるかもしれません。
「責任感」の人は、役割を果たせないことに「罪悪感」を覚えるともいいます。
その努力のエネルギーも、相当なものでしょう。
自分に課せられた役割に対する強いオーナーシップ。
そして、その役割を果たすためのたゆまぬ努力。
「責任感」は、「役割」を通じて成長し続けることができる才能といえますね。

責任感の活かし方
自分が果たすべき役割を、正しくやり切ろうとする「責任感」。
では、この資質は、仕事やプライベートで、どう活かすことができるのでしょうか?
結果を人にコミットをする
人との約束を必ず守る「責任感」。
冒頭にも書きましたが、これは「相手があってこそ」の行動力ともいえます。
見方を変えると、自分自身との約束にはあまり効果がないということ。
(個人差はあります)
・ダイエット
・(仕事とは直接関係のない)勉強
これらに取り組む際、「まぁ、今日はいいか」「また明日から」となるかもしれません。
ここは、「責任感」が「有言実行の才能」であることを活かしたいところです。
となると、タイトルの通り「コミット」がポイント。
誰かに「やる」と宣言する(約束する)。
これもいいですが、一番いいのは「誰かと一緒にする」。
「自分だけが、やらないわけにはいかない」という思いが強く出てくるはずですからね。
(このケース、「競争性」の人は「負けるわけにはいかない」でしょう)
最近行動できていないと感じている人は、ぜひ参考にしてください。
「責任感」は実行力資質のグループ。
工夫ひとつで、抜群の「行動力」を発揮するはずです。
チームの規範意識を高める
別名「正義感の才能」とも呼ばれる「責任感」は、自分だけでなく、一緒に行動する仲間の「規範意識」も高めます。
・義務(役割)を果たす
・約束(期限)を守る
・ルールに沿って行動する
この3つは、特にわかりやすいでしょう。
もし自分がリーダーを務める場合は、「~すべき」「~すべきではない」を明確にし、「正しいことを正しく行うのが当たり前」という雰囲気を、チーム内につくっていくはずです。
また組織には、叱責を恐れて「隠ぺい」「虚偽報告」をしてしまう人もいます。
人は、弱い生き物ですからね。
でも、「責任感」の人は違います。
自らの失敗を隠すことなく謝罪し、誠実に対応していくはず。
この真摯な姿勢こそが「責任感」。
誠実な日々の仕事ぶりが、チームの「規範意識」の強化につながっていくでしょう。

責任感の人にあった仕事・職場
まず、大前提として、ストレングスファインダー®は、適職診断ツールではありません。
複数の人が、同じ仕事でそれぞれ成果を出している場面でも、「そこで発揮されている資質が全く違う」ということは、よくありますからね。
だからといって、「責任感に適職なんてものはない!」と断言してしまうのも、どうかと思いますので、就職や転職など、「仕事探し」の際に持っておきたい視点をご紹介します。
役割(責任範囲)が明確な仕事
自分の役割を果たし、人の信頼や期待に応えようとする「責任感」。
仕事をする上では、以下の3点が明確になっていることが重要です。
・自分の果たすべき役割は何か
・どこからどこまでが、自分の責任範囲か
・いつまでに、何をやり遂げればいいのか
ここが曖昧だと、「何をもって役割を果たしたか」がわかりませんからね。
特にチームで仕事をする場面では、この「曖昧さ」がストレスになるかも。
(「人と一緒に仕事をするのが向かない」ということではありません)
「人の信頼にしっかり応えたい」
「責任感」の人は、この思いが人一倍強いですから。
そう考えると、明確な期日と達成基準があるプロジェクト。
そして、その中で自分の役割が明確になっている状態。
これは、「責任感」の人が「よーし!」と気合が入る環境になりそうです。
また、「責任範囲」「期限」という視点で見ると、自分の役割が明確な「事務仕事」でも「やりがい」を見出すことができます。
自分がやるべきことを、質に妥協せず、期日までにやり遂げる。
「事務仕事」は、日々そこにこだわることができますからね。
同僚からも、「〇〇さんがいてくれて助かる」といわれる存在になっていくでしょう。
人からの期待や信頼を実感できる仕事
周囲の人からの「期待」「信頼」に応えようとする意識が人一倍強い「責任感」は、日々それを実感できる仕事で力を発揮するでしょう。
つまり、誰かを相手に「役割を果たす」仕事。
・医療従事者
・教育、講師業
・顧客対応(営業・カスタマーサポートなど)
いずれも、患者や生徒、顧客から「●●をしてほしい」「あなたに●●をお願いしたい」という強い期待を集める仕事です。
「責任感」は、そこで持ち前のオーナーシップを発揮するはず。
相手からの「期待」「信頼」をモチベーションに変える。
そして、粘り強く仕事に取り組み、その思いに確実に応えていく。
このように「他者貢献」を実感できる仕事も、「責任感」の力は存分に発揮されるでしょう。
高い規範意識が求められる仕事
もともと「規範意識」の高い「責任感」は、それを強く求められる環境こそ、高いパフォーマンスを発揮するでしょう。
・警察官
・消防士
・自衛官
これらの職業で高い「規範意識」が求められるのは、誰もが想像するところ。
常に、危険と隣り合わせ。
だからこそ、強い倫理観と使命感。
そして、仲間との強い連帯感(信頼関係)が必要となる仕事です。
これらの職業への「転職」は、年齢制限などの条件で難しい人もいるでしょう。
でも、まだ可能性がある人にとっては、有力な選択肢のひとつになるはずです。
規範意識の低い組織や同僚は、「責任感」にとって相当なストレス。
その点、これらの職業なら、その心配はほとんどありませんからね。
(あわせて「信念」も上位に持つ人は、これらの職業にピンとくる気がします)

責任感の人はここに気をつけよう!
ここまで、「責任感」の魅力、そして、その資質の活かし方などをお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®の上位資質は、二面性があります。
「意思が強い」と「頑固」みたいなものでしょうか。
これって、表裏一体なんですよね。
ここでは、「責任感」が魅力的な資質だからこそ、「気をつけないと、もったいない!」という点を、2つお伝えします。
義務感で何でも引き受けてしまう
人からの「期待」や「信頼」に応えようとする「責任感」。
その思いが強く出過ぎてしまうと、依頼を「断れない」ことがあります。
加えて「オーナーシップ」も強いため、「自分でやらないと」とその仕事を抱え込んでしまいがち。
「責任感」は頼られるとうれしい「兄貴肌」「姉御肌」気質ですが、一方で「甘えるのが下手」という側面がありますからね。
そして結果的に、キャパオーバー…。
この点、心当たりのある人も多いのではないでしょうか。
仕事を引き受ける際は、回答をする前に自分の抱えている業務量を確認(キャパ確認)。
そして、難しいと判断したときには、「NO」と伝える勇気も必要です。
大丈夫、心配はいりません。
「信頼を失うこと」を恐れる「責任感」ですが、1回の「NO」くらいで、それまで積み上げた信頼が揺らぐことはありませんから。
できないことは、引き受けない。
(「慎重さ」の人にとっては、この感覚は当たり前かもしれません)
この意識を忘れずに。
「責任感」の人の中には、義務感の強さで身体を壊してしまう人もいるくらいですからね。
他者を細かく管理してしまう
引き受けた仕事は、「期日までに」「質を落とさず」ちゃんとやる。
この意識が強い「責任感」は、自分にも他人にも厳しくなりがちです。
ポイントは、「他人にも」。
例えば、チームで仕事をしている場面。
仲間の仕事の進捗は順調だろうか(期日へのこだわり)。
仲間の仕事の進め方は適切だろうか(質へのこだわり)。
これらが「気になって仕方がない」という「責任感」の人は、結構いるみたいですね。
「〇〇さん、締め切りは3日後ですからね」
「□□さん、その仕事はこうすべきじゃないかな?」
相手に任せた仕事でも、色々と気になってしまう。
そして、過度に確認をしたり、任せた仕事に首を突っ込んだりしてしまう。
心当たりのある人もいるのではないでしょうか。
気持ちはわかります。
でも、これをやりすぎると、相手の中に「自分は信用されていないのかも」という疑念を生んでしまいますからね。
「自分のこだわりを出しすぎたら、目の前の相手はどう感じるか」
どの資質にも言えることですが、この視点は忘れないようにしたいところです。
そのためにも、自分の上位5資質(できれば10資質)が持つ「こだわり」「欲求」ポイントは、しっかりと把握しておきましょう。

もっと責任感を活かしていくために
ここまで、「責任感」についてお伝えしてきました。
でも、ストレングスファインダー®は、もっと奥が深いですからね。
上位資質は、深く知れば知るほど、人生(キャリア)を豊かにする自分だけの道具になっていきます。
ここからは、そのヒントを2つご紹介します。
責任感×〇〇の組み合わせ
資質は、単独でも特徴はありますが、実際に私たちの中で「強み」として発揮されるとき、決まって「責任感×〇〇」のように、2つ以上の資質がかけ合わさった形で現れます。
これこそが、ストレングスファインダー®の奥深さであり、私たち一人ひとりの個性です。
上位トップ5の資質が、他の人と全く同じになる確率は、3,300万分の1。
そして、「資質×資質」の組み合わせパターンは、561通り。
上位に同じ「責任感」を持っていたとしても、それ以外にどんな資質を上位に持っているかによって、その人の「責任感」が解き放つ魅力は、他の人とは全く異なります。
ここでは、参考までに、「責任感×〇〇」の例を2つご紹介します。
責任感×最上志向
自分が果たすべき役割について、「期限」と「品質」にこだわりを持って取り組む人。
特に「品質」に対するこだわりは人一強く、締め切りギリギリまで妥協することなくクオリティを高め続け、結果的に依頼者の期待や信頼に確実に応えていく。
責任感×回復志向
身の回りで発生する問題や課題の存在にいち早く気づき、率先して解決に向けて行動できる人。
自分が担当者として問題解決にあたる際には、それがどんなに困難な内容であっても、途中で投げ出すことはせず、粘り強く解決に向けて取り組み続けていく。
ストレングスコーチを使ってみよう
「責任感×〇〇」の例、いかがでしたか?
この組み合わせは、まだ残り31通りありますからね。
ストレングスファインダー®の書籍を買って、アセスメントを行い、該当するページを読む。
確かにそれも大事ですが、私の感覚では、その段階でのストレングスファインダー®の理解度は、3割程度。
理解度が3割ということは、今後の活用度も3割ですからね。
これでは、せっかく本を買ったのにもったいない。
最新の調理家電を買ったのに、「あたため」しか使わないようなものです。
ストレングスファインダー®は、自分の中に備わっている「人生を豊かにする道具」の存在を自覚するもの。
そして、その道具を、みなさんと一緒に明らかにするサポート・ガイド役となるのが、ストレングスコーチです(私もその一人ですけどね)。
一度きりの人生。もっと自分らしく。もっとラクに。
そう思う人は、一度ストレングスコーチとの「個人セッション」を受けてみてください。
(ちなみに、私のコーチ資格取得は、この「個人セッション」体験での感動がきっかけでした)
※このサイトでも、いずれ「個人セッション」の受付を行います。
以上、「責任感」について、ご紹介をしました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ぜひ、ご自分が上位に持つ他の資質についても、当サイトでご確認ください。
Use your strengths to be yourself.
~強みを活かして、あなたらしい人生を~
実行力 | 影響力 | 人間関係 構築力 |
戦略的 思考力 |
---|---|---|---|
達成欲 | 活発性 | 適応性 | 分析思考 |
アレンジ | 指令性 | 運命思考 | 原点思考 |
信念 | コミュニケーション | 成長促進 | 未来志向 |
公平性 | 競争性 | 共感性 | 着想 |
慎重さ | 最上志向 | 調和性 | 収集心 |
規律性 | 自己確信 | 包含 | 内省 |
目標志向 | 自我 | 個別化 | 学習欲 |
責任感 | 社交性 | ポジティブ | 戦略性 |
回復志向 | 親密性 |